中国の春節大移動で鉄道切符3億枚超 2025年春運の規模を読む
2025年1〜2月にかけて行われた中国の春節(旧正月)の大移動「春運(チュンユン)」で、鉄道のオンライン切符販売枚数が3億1,100万枚を超えました。延べ90億回もの地域をまたぐ移動が見込まれた今年の春運は、世界最大級の人の流れをあらためて印象づけました。
オンライン予約で3億1,100万枚 鉄道当局が発表
中国の鉄道当局によりますと、公式の列車予約プラットフォーム「12306」を通じて販売された春運期間中の切符は、ある土曜日の午前9時時点で累計3億1,100万枚に達していました。この数字には窓口販売分などは含まれておらず、オンラインだけで膨大な需要が集中したことが分かります。
12306は、中国本土で広く利用されている鉄道切符のオンライン予約サービスです。スマートフォンアプリやウェブサイトから座席指定や支払いまで完結できるため、春節前後の混雑期には多くの人が事前予約に活用しています。
春運とは何か 40日間続く「民族大移動」
春運は、春節を挟んだ約40日間に集中する大規模な帰省・旅行ラッシュを指す言葉です。2025年の春運は1月14日に始まり、2月22日まで続きました。期間中、中国各地では鉄道、高速道路、航空、長距離バスなどあらゆる交通手段がフル稼働となります。
当局は今年の春運について、地域をまたぐ旅客移動が延べ90億回に達するとの見通しを示していました。これは、一人が複数回移動するケースも含んだ「延べ人数」ですが、それでも規模の大きさが際立ちます。
- 期間:2025年1月14日〜2月22日(40日間)
- オンラインで販売された鉄道切符:3億1,100万枚(12306経由、途中時点の累計)
- 見込まれた移動:延べ90億回の地域をまたぐ旅客移動
なぜここまで人が動くのか
春節は、多くの人にとって一年で最も重要な家族行事です。都市部で働く人が地方の出身地に帰ったり、学生が実家に戻ったりと、「ふるさとへ帰る」移動が一気に重なります。このため、春運の時期には、普段は離れて暮らす家族が同じ場所に集まることになります。
都市への人口集中が進むなかで、春運は都市と地方を結ぶ重要なタイミングでもあります。帰省する人は、地元の経済に一時的な消費をもたらし、都市での経験や情報を持ち帰ります。一方で、交通インフラには大きな負担がかかり、安全運行や混雑の管理が重要な課題となります。
デジタル化が支える巨大な移動
今回の数字からは、春運のような大規模な移動を支えるうえで、デジタル技術の役割がますます大きくなっていることも読み取れます。オンライン予約システムを通じた事前販売は、駅での行列を減らし、需要のピークを予測する手がかりにもなります。
モバイル決済や電子チケットの普及により、紙の切符を受け取る手間が省かれ、乗車手続きも簡素化されています。利用者にとっては、スマートフォン一つで予約から乗車まで完了できることが、長距離移動の心理的なハードルを下げていると言えます。
日本の大型連休と比べて見えるもの
日本にも、ゴールデンウィークやお盆、年末年始など、交通機関が混雑する時期があります。ただ、春運の特徴は、40日という長い期間にわたり、規模の大きい帰省と旅行が重なる点にあります。
日本の新幹線や高速道路でも混雑は起きますが、春運の規模と比べると、交通量や人口の集中の度合いは性質が異なります。この違いを意識してニュースを読むと、各国のインフラ整備やダイヤ編成の工夫が、社会の構造や生活スタイルと密接に結びついていることが見えてきます。
巨大な人の流れから考えるこれからの移動
2025年の春運で示された3億1,100万枚という鉄道オンライン切符の数字と、延べ90億回という移動の見通しは、単なる「混雑」のニュースにとどまりません。人がどこで働き、どこを「帰る場所」と感じているのかを映し出す、社会の鏡でもあります。
日本でも、人口減少や働き方の変化が進むなかで、「連休の移動」をどう設計し、インフラをどう維持していくかが問われています。中国本土の春運の動きは、私たちが自分たちの移動のあり方を考えるうえでも、多くのヒントを与えてくれそうです。
Reference(s):
Over 300m train tickets sold for 2025 Spring Festival travel rush
cgtn.com








