春節前に「真っ赤」に染まる重慶 火鍋と提灯がつくる年味の鼓動 video poster
まもなく迎える2026年の春節を前に、中国・重慶は街じゅうが赤く染まり、まるで鼓動するような熱気に包まれていると伝えられています。赤く輝く提灯から、ぐつぐつ煮え立つ火鍋まで、「年味(ニエンウェイ/nian wei)」と呼ばれる独特の新年の空気が、都市全体を満たしているのが印象的です。
重慶が「赤」に染まるとき:春節前の風景
春節シーズンの重慶は、一言でいえば「赤のグラデーション」です。ビルの間を埋める無数の赤い提灯、店先に吊るされた飾り、そして火鍋の赤いスープ。視線を向ける先々に赤があり、街のリズムと重なり合って、独特の高揚感を生み出しています。
赤は、祝いごとや幸運を象徴する色とされています。その赤が都市空間を埋め尽くすことで、日常の風景が一気に「春節モード」に切り替わり、人々の気持ちも新年へと自然に切り替わっていきます。
光・音・味で感じる重慶の「年味」
国際ニュースとして春節の話題が取り上げられるとき、よく語られるのが、この「年味」という言葉です。重慶の春節前の様子には、その年味が凝縮されているように見えます。
揺れる提灯がつくる「赤い空間」
日が暮れると、赤い提灯に灯りがともり、街は一気に表情を変えます。昼間は飾りだった提灯が、夜になるとふわりと浮かぶ光の列となり、人々の足元を優しく照らします。
観光地だけでなく、生活の場にも灯りが広がることで、「祝祭は特別な場所だけのものではなく、日常の延長線上にある」というメッセージが静かに感じられます。
街のざわめきも「お祝いモード」に
春節前の重慶では、人々の会話や笑い声、買い物客の足音など、日常のざわめきそのものが、どこか弾んで聞こえる雰囲気があります。赤い飾りと灯りに包まれた空間では、同じ雑踏でも、普段とは少し違う「期待感」を帯びて響きます。
火鍋の湯気に宿るぬくもり
重慶といえば、やはり外せないのが火鍋です。春節前後は、家族や友人がテーブルを囲み、赤いスープを中心に談笑する風景が象徴的です。ぐつぐつと煮え立つ真っ赤なスープは、見た目こそ刺激的ですが、その周りには安心感と親密さが漂います。
冷えた冬の空気のなかで、火鍋の湯気と香りが立ち上る光景は、「一緒に温まろう」という無言の招待のようでもあります。ここにも、春節のキーワードである「団らん」のエッセンスが感じられます。
「年味(nian wei)」とは何か:重慶から考える
重慶の春節前の様子を語るうえで欠かせないのが、「年味」という概念です。直訳すれば「新年の味」ですが、味覚だけでなく、空気感や時間の流れ、人と人の距離感までを含んだ、総合的な「雰囲気」を指します。
重慶の年味は、次のような要素が重なり合って生まれていると考えられます。
- 街全体を包み込む赤い色彩と灯り
- 人々の表情や会話ににじむ、高揚感とほっとした空気
- 火鍋をはじめとする温かい料理を囲む時間
- 「もうすぐ新しい一年が始まる」という静かな期待
これらが一度に重なったとき、「年味」という言葉でしか表現しにくい独特の感覚が立ち上がります。
日本の「お正月の空気」との共通点
重慶の春節前の風景を眺めていると、日本の年末年始との共通点も見えてきます。日本でも、イルミネーションやしめ飾り、買い物客でにぎわう商店街など、「ああ、もうすぐ年が明けるのだな」と感じさせるサインが街に現れます。
違うのは、色や象徴に込められた文化的な意味合いです。日本では、静かに年を越し、初詣で新年を迎えるイメージが強い一方、重慶のような都市の春節前は、「赤」と「熱」が前面に出る、よりダイナミックな祝祭の空気が漂います。
しかし、「年が改まる瞬間を、大切な人たちと共有したい」という願いは共通しています。そこに、国や地域を超えた共感の糸が通っているように感じられます。
重慶の春節から見える、都市と祝祭のこれから
重慶が春節前に「真っ赤」に変わる光景は、単に派手なイベントではなく、「都市のリズムに祝祭をどう織り込むか」という問いを投げかけています。
- 通勤や買い物といった日常の動線に、さりげなく祝祭の要素を混ぜること
- 飲食や団らんの場を通じて、人と人の距離を縮めること
- 視覚だけでなく、音や香りも含めて「季節の変わり目」を演出すること
こうした工夫は、どの都市にも応用できる視点です。日本の街づくりやイベント設計を考えるうえでも、重慶の春節前の風景は、参考にできるヒントを多く含んでいるように見えます。
「あなたの年味」はどこにあるか
デジタルで世界を眺めることが当たり前になったいま、遠く離れた重慶の春節前の様子も、スマートフォン一つで身近に感じられます。その一方で、「自分にとっての年味はどこにあるのか」という問いが改めて浮かび上がってきます。
家族と囲む食卓、久しぶりに会う友人との会話、あるいは一人で静かに過ごす時間。そうした一つひとつの瞬間のなかに、「自分だけの年味」が宿っているのかもしれません。
重慶の赤い提灯と火鍋の湯気を思い浮かべながら、今年の年末年始、自分にとっての「新年の空気」を少し意識してみると、新しい一年の見え方が変わってくるのではないでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








