2025年春節聯歓晩会、視聴回数168億回で記録更新 モバイルとバリアフリーが牽引
2025年の春節聯歓晩会(Spring Festival Gala)が、世界累計視聴回数168億回という前例のない記録を打ち立てました。中国の大型テレビイベントのデジタル化が、ここまで進んだことを象徴するニュースです。
CMGの春節番組、視聴回数168億回に
中国メディアグループ(China Media Group、CMG)が制作・放送した2025年春節聯歓晩会は、テレビやネットなど全てのメディアを合計して、世界で延べ168億回視聴されました。これは前年から18.31%増という大幅な伸びです。
モバイルでの視聴は特に急増し、スマートフォンなどからの視聴者は3億7200万人と、前年比52.46%増となりました。日常的にスマホで動画を見る層が、春節の伝統的な番組にも確実にシフトしていることがうかがえます。
新メディアでのライブ配信も過去最高
中国本土の新メディア(ネット動画プラットフォームやアプリ)でのライブ配信も記録を更新しました。番組終了後の水曜日午前8時時点で、ライブ配信の総再生回数は約21.3億回に達し、前年から26.04%増となりました。
縦型画面でのライブ配信は今年で4年目ですが、その存在感がさらに増しています。縦画面での視聴回数は5.3億回と、前年比25.3%増。実際に縦画面配信を利用したユーザー数も3億人に達し、16.73%増加しました。
スマホに最適化した縦型動画フォーマットが、マス向けの大型番組でも重要なチャネルになりつつあることが数字から見て取れます。
視覚・聴覚に障がいのある人へのバリアフリー放送
2025年は、アクセシビリティ(利用しやすさ)の面でも新しい取り組みが行われました。CMGは視覚と聴覚に障がいのある人に向けて、次のようなバリアフリー対応を導入しました。
- 視覚に障がいのある視聴者向けに、春節聯歓晩会のライブ音声放送を提供
- 聴覚に障がいのある視聴者向けに、ニュースアプリや動画プラットフォーム上でカスタマイズされたアクセシビリティ機能付きの配信を実施
こうしたバリアフリー放送と関連コンテンツの視聴者は合計で約5897万人に達しました。大規模なエンターテインメント番組において、誰も取り残さない設計を目指す動きが広がっていることを示しています。
数字から見える中国の動画視聴トレンド
今回示された数字から、いくつかのポイントが浮かび上がります。
- テレビからスマホへ:モバイル視聴が前年より5割以上増えていることから、大型番組の主戦場もスマホへと移行しつつあります。
- 縦型動画の定着:縦画面でのライブ視聴が5億回を超え、視聴者の「スマホ持ちのまま」「ながら視聴」にフィットした形が浸透していると考えられます。
- インクルーシブな放送:障がいのある人を含めたバリアフリー対応が約5800万人規模まで広がったことは、メディアの社会的役割の変化を示しています。
日本のメディアにとっての示唆
2025年12月現在、この春節聯歓晩会のデータは、アジアのメディアと動画プラットフォームの競争が一段と激しくなっていることを物語っています。
日本のメディアや配信事業者にとっても、
- 大型の生放送イベントをスマホ前提で設計すること
- 縦型配信や短尺クリップといったフォーマットを組み合わせること
- アクセシビリティ対応を追加オプションではなく、最初から組み込むこと
といったポイントは、今後の番組制作やプロダクト設計を考えるうえで参考になりそうです。
視聴スタイルが多様化するなかで、誰にとっても見やすく、参加しやすい放送をどう実現するか。2025年の春節聯歓晩会は、その一つのモデルケースになっています。
Reference(s):
2025 Spring Festival Gala breaks records with 16.8 bln global views
cgtn.com








