砂絵でよみがえる中国の十二支 深圳アーティストのCGTNステージ
中国・深圳の砂絵アーティストが、流れる砂だけで中国の十二支を描き出す――。CGTNの特別番組「Super Night」で披露された幻想的なパフォーマンスが、伝統文化と現代アートの新しい出会いとして注目を集めています。
深圳発、砂絵が動き出す「中国の十二支」
中国南部の広東省・深圳市出身の砂絵アーティスト、Xiao Sixinさんは、今年のCGTN「Super Night」で唯一無二のステージを見せました。
Xiaoさんは光の当たるテーブルに砂を落とし、手の動きだけで瞬時に絵柄を変えていきます。流れ、揺らぎ、消えては生まれる砂の軌跡から、中国の十二支の動物たちが次々と姿を現しました。
ステージ上では、十二支の動物たちが一枚の紙の巻物の上を順番に通り過ぎていくようすが描かれました。この巻物は、1年ごとに受け渡されていく時間そのものを象徴しているとされています。Xiaoさんの手のひらから生まれる砂絵は、まるで動物たちがそれぞれの年を見守る「守り手」であるかのような世界を映し出しました。
このパフォーマンスを通じて、観客は伝統的な中国文化が、現代的なアート表現とどのように溶け合うのかを体感することができました。
中国の十二支と60年周期のカレンダー
今回のパフォーマンスの主役となったのは、中国の十二支です。十二支には次の12の動物が登場します。
- rat(ねずみ)
- ox(うし)
- tiger(とら)
- rabbit(うさぎ)
- dragon(りゅう)
- snake(へび)
- horse(うま)
- sheep(ひつじ)
- monkey(さる)
- rooster(にわとり)
- dog(いぬ)
- pig(ぶた)
中国の十二支は、Heavenly Stems and Earthly Branches(天干と地支)と呼ばれる伝統的な暦の数え方と組み合わさり、60年で一巡する大きな周期をつくります。それぞれの年は、これら十二支のいずれかの動物に「支配されている」と考えられます。
このシステムは、単に年月を数えるためだけではなく、「時間は循環していく」という中国の哲学的な考え方を映し出したものでもあります。誕生と成長、衰えと再生が繰り返される生命のサイクルを、十二の動物に託して表現しているとも言えます。
「一年を見守る」動物たち
Xiaoさんのステージでは、十二支の動物たちが巻物の上をバトンリレーのように受け継ぎながら進んでいく姿が描かれました。
番組のコンセプトに沿って、動物たちはそれぞれの年を「見守る」存在として表現されています。ある動物が役目を終えると、次の動物が現れ、また1年を守り抜く――その連続が60年の大きな循環へとつながっていきます。
砂という「形をとどめない」素材を使うことで、時間の移ろいや、人生のはかなさと豊かさがいっそう強く感じられる構成になっていました。
伝統文化と現代アートが交差する瞬間
今回のパフォーマンスが印象的なのは、古くから受け継がれてきた中国の暦や十二支というモチーフを、砂絵という現代的な表現形式にのせて再解釈している点です。
砂絵は、完成した瞬間からすでに崩れ始めているアートでもあります。形が残らないからこそ、その一瞬を見届けた観客の記憶の中にだけ作品が生き続けます。十二支が「時の流れ」を象徴する存在だとすれば、砂絵は「瞬間の尊さ」を象徴する表現と言えるかもしれません。
伝統文化を新しい形で伝える試みは世界各地で行われていますが、今回のように、誰もが知る干支の物語を視覚的でダイナミックなステージに昇華させることで、世代や国境を超えて共有しやすい表現になっている点が注目されます。
写真が切り取った一枚一枚の物語
今回紹介されている写真は、いずれもXiao Sixinさんによって「描かれ」、Huang Yiさんによって撮影されたものです。砂が流れ落ちるわずかな時間の中で、動物たちの表情や姿がくっきりと浮かび上がる瞬間が切り取られています。
視聴者や読者は、ステージそのものを観ていなくても、写真を通じて砂絵の細やかな表現や、十二支それぞれの個性を想像することができます。
要点まとめ
今回のCGTN「Super Night」での砂絵パフォーマンスから見えてくるポイントを、最後に整理します。
- 深圳出身の砂絵アーティスト、Xiao Sixinさんが、中国の十二支をテーマにしたステージを披露
- 十二支の動物たちが巻物の上を受け継ぐように進み、それぞれの年を「見守る」存在として描かれた
- 中国の十二支は、Heavenly Stems and Earthly Branchesと組み合わさり、60年周期で時間の流れを表現する暦体系を形づくる
- 砂絵という現代アートを通じて、伝統的な中国文化の哲学や世界観を、視覚的かつ物語性のある形で伝えている
- 作品の一瞬一瞬は、Huang Yiさんによる写真として記録され、視聴者に再び共有されている
伝統文化を新しい表現で伝える動きは、デジタル時代のアートやコンテンツづくりを考えるうえでも、多くのヒントを与えてくれます。中国の十二支という古くて新しいモチーフが、これからどのような形で再解釈されていくのかも、引き続き注目していきたいところです。
Reference(s):
cgtn.com








