中国春節映画、1日で興行収入18.05億元の新記録
中国で2025年の春節(旧正月)を迎えた当日、水曜日の映画興行収入が18.05億元(約2億4,900万ドル)に達し、1日あたりのボックスオフィス収入として過去最高を更新しました。本記事では、この国際ニュースを日本語で分かりやすく整理し、中国映画市場の今を見ていきます。
- 春節当日の興行収入は18.05億元と過去最高
- 観客動員は延べ3,515万人で記録を更新
- 中国神話、武侠、コメディなど6本の新作がけん引
- 映画鑑賞補助金や連休延長が消費を後押し
- 証券会社は春節連休全体での市場拡大を予測
春節当日に興行収入18.05億元、観客3,515万人
中国映画局(China Film Administration=CFA)によると、春節当日のボックスオフィス収入は18.05億元(約2億4,900万ドル)に達しました。観客動員は延べ3,515万人に上り、いずれもこれまでの最高を更新しました。
これまでの記録は2021年の春節当日でしたが、2025年の春節はそれを上回る数字となりました。中国の春節は家族が集まり、余暇消費が一気に高まる時期であり、映画はその中心的な娯楽の一つになっていることがうかがえます。
8日間に延長された2025年春節連休
CFAによれば、2025年の春節連休は1月28日から2月4日までの8日間で、前年までより1日長い日程となりました。春節連休はもともと中国で最も映画需要が高まるシーズンの一つですが、休日期間の延長により、映画館に足を運ぶ機会がさらに増えたとみられます。
長期連休にレジャーや旅行と並んで「映画」が選択肢となる構図は、日本を含む他の国・地域とも共通していますが、そのスケールの大きさが中国市場の特徴といえます。
6本の新作がけん引 多様なジャンルで観客をつかむ
今回の記録更新を支えたのは、中国製作の新作映画6本です。いずれも春節当日に合わせて公開された作品で、ジャンルは中国神話を題材にした作品、武術と騎士道を描く「武侠(ウーシア)」、コメディ、ファンタジー、アニメーション、ドラマと多岐にわたります。
証券会社の華金証券(Huajin Securities)は、これら6作品が幅広いジャンルをカバーすることで、家族連れから若い観客まで、さまざまな層のニーズに応えていると指摘します。春節という「みんなで映画を観に行く」タイミングに合わせ、多様な選択肢を用意したことが、動員拡大につながったとみることができます。
フランチャイズ作品の強みとファンベース
華金証券はさらに、今年の春節シーズンをリードする作品の多くが、すでに高評価と高い興行実績を持つシリーズ作品(フランチャイズ)の続編である点も強調しています。こうしたフランチャイズ作品は、「前作を観てきたファン」が安定した観客層となり、公開初日から高い数字を出しやすいという特徴があります。
中国では近年、シリーズ化された映画や、同じ世界観を共有する作品群が増えており、ブランドとしての信頼感が観客の「まずはこの一本を観よう」という選択につながっていると考えられます。今回の春節の記録は、フランチャイズ戦略の有効性を示す一例ともいえます。
約6億元の映画鑑賞補助金 消費喚起策の効果
CFAは、2024年12月以降、関連機関に対して映画鑑賞に使える消費補助として、約6億元(6億人民元)の資金を割り当てるよう促してきました。アナリストは、こうした補助金が観客の潜在的な消費力を引き出すことを狙った施策だと分析しています。
具体的には、オンラインで配布されるクーポンや割引券などを通じて、映画チケットの実質的な負担を下げる取り組みが進められているとみられます。春節のような大型連休に合わせて消費喚起策を打つことで、「せっかくなら映画館で最新作を観てみよう」という後押しになった可能性があります。
証券会社が描く春節市場の成長シナリオ
開源証券(Kaiyuan Securities)は、春節初日の勢いを踏まえ、2025年の春節連休全体の興行収入が前年同期比6.7%増の85.4億元(85.4億人民元)に達すると予測しました。春節連休は毎年のように映画市場をけん引してきましたが、その成長ペースがなお維持されているとの見方です。
こうした予測は、連休全体を通じて観客数が引き続き高水準を保ち、多様な作品ラインナップと消費喚起策が相乗効果を生むことを前提としています。2025年の春節シーズンが、中国映画市場の拡大トレンドを象徴する期間として意識されていることが分かります。
日本とアジアの映画ビジネスへの示唆
今回の春節ボックスオフィスの記録更新からは、いくつかのポイントが見えてきます。
- 大型連休に合わせた戦略的な公開スケジュール
- 家族向けから若者向けまでを意識した多様なジャンル構成
- シリーズ作品(フランチャイズ)による安定したファンベースの活用
- クーポンや補助金による消費喚起策
これは日本や他のアジアの国・地域にとっても、映画やエンターテインメントのビジネスモデルを考えるうえで参考になる点が多いと言えます。特に、祝祭日や連休といった「時間の集中」と、作品ラインナップや価格政策をどう組み合わせるかは、今後ますます重要なテーマになりそうです。
2025年の春節当日に生まれたこの新記録は、中国映画市場の規模とダイナミズムを示す象徴的な数字です。今後も、アジア発のコンテンツと映画産業の動向を追いながら、私たちの日常の娯楽やカルチャーとのつながりを考えていくことが求められています。
Reference(s):
China sees new daily box office revenue record during Spring Festival
cgtn.com








