EU商工会議所会頭が語る2025年の中国貿易 トランプ2.0でも拡大に自信 video poster
トランプ政権「2.0」が始まり、米国の動向や欧州内部の分断が国際協調に影を落とす中、2025年の中国貿易について前向きな見方を示したのが、中国に拠点を置くEU商工会議所です。会頭のイェンス・エスケルンド氏は、中国の世界貿易に占めるシェアは、関税摩擦が続いても拡大を続ける可能性が高いと述べました。
EU商工会議所トップが語る中国貿易の底力
中国に進出する欧州企業を代表する存在として注目されるのが、中国に拠点を置くEU商工会議所です。エスケルンド会頭は、中国の国際ニュースを伝えるCGTNの取材に対し、2025年の中国貿易の見通しについてコメントしました。
同氏が示したポイントは、「中国の世界貿易に占めるシェアは、トランプ政権下で関税緊張が続いても拡大を続ける可能性が高い」という見方です。これは、短期的な関税や政治的な緊張よりも、中国市場の規模や競争力、世界のサプライチェーンにおける役割を重く見ている姿勢と受け取ることができます。
トランプ2.0時代と揺れる国際協調
今年発足したトランプ政権2期目は、前回同様、関税や貿易をめぐる対立が再び高まるとの見方があります。米国の強い関与や影響力の行使、そして欧州内部の意見の分かれ方は、中国とEUだけでなく、世界全体の協力のあり方に影響を与えています。
2025年12月現在、各国・各地域は安全保障や産業政策を重視するあまり、貿易や投資を政治問題と結びつけやすい状況にあります。その中で、中国とEUがどのように現実的な協力の接点を見いだすかは、国際ニュースの重要テーマの一つになっています。
中国とEUはどう「ウィンウィン」を実現できるか
インタビューは、「中国とEUはどうすれば互いに利益を得られるのか」という問いを軸に行われました。エスケルンド氏の発言内容は限られていますが、中国とEUの関係を考えるうえで、次のような方向性が考えられます。
- 長期的な視点での市場アクセス:一時的な関税や規制ではなく、透明で予見可能なルールを整えることで、企業は安心して投資や貿易の判断ができます。
- サプライチェーンの安定性:中国とEUは多くの産業で生産ネットワークを共有しています。相互依存をリスクではなく強みとして管理することが、双方の利益につながります。
- グリーンとデジタル分野での協力:再生可能エネルギーや電気自動車、デジタルインフラなど、共通の課題とビジネス機会が重なる分野では、協力の余地が大きいと考えられます。
- 対話のチャンネルを維持すること:政治的に緊張が高まる局面でも、企業や産業界同士の対話を途切れさせないことが、誤解や過剰反応を防ぐうえで重要です。
関税摩擦を超える「現実的な楽観」
エスケルンド会頭が強調した、中国の貿易シェア拡大の可能性は、「根拠のない楽観」ではなく、現場の感覚に基づく「現実的な楽観」と言えます。多くの欧州企業にとって、中国市場は売上や成長の重要な柱とみなされることが多く、生産や研究開発の拠点としても位置づけられています。
関税の応酬が続いたとしても、世界全体の需要がある限り、企業はコストとリスクを計算しながら、最適な形で中国との取引や投資を模索し続けると考えられます。その意味で、貿易統計に現れるシェアは、政治状況だけでは決まらないという見方が成り立ちます。
日本の読者が押さえておきたい視点
今回のインタビューは、中国とEUの関係に焦点を当てたものですが、日本にとっても無関係ではありません。中国・EU・米国という3極の関係は、サプライチェーンや技術標準、環境規制などを通じて、日本企業や日本経済にも影響を与えます。
2025年の国際ニュースを追ううえで、次のような点に注目しておくと、動きが立体的に見えてきます。
- 欧州企業が中国市場にどの程度コミットし続けるのか
- トランプ政権の関税政策が、中国とEUの貿易構造にどう影響するのか
- グリーン・デジタル分野での中国とEUの協力と競争のバランス
エスケルンド会頭の「中国貿易のシェアはなお拡大し得る」という見方は、不確実性の高い2025年においても、実務家の目線から見れば中国とEUの経済関係には依然として大きな重なりと余地がある、というメッセージでもあります。今後の中国・EU関係のニュースを読み解く際の、一つの基準として意識しておきたい視点と言えるでしょう。
Reference(s):
EU Chamber of Commerce shows confidence in China's trade in 2025
cgtn.com








