2025年春節のマカオ:中国の旧正月と観光が交差するユネスコ無形文化遺産の街
2025年の春節、中国南部のマカオ特別行政区はユネスコ無形文化遺産に登録された後初めての中国の旧正月を迎え、多彩なイベントで世界中の訪問客を引きつけました。本稿では、そのにぎわいと背景を振り返ります。
無形文化遺産となった春節、マカオならではの祝賀
今回の春節は、春節がユネスコ無形文化遺産リストに加わってから初めての年となりました。マカオでは、この節目を機に、伝統文化を現代的な演出で見せる試みが各地で行われました。
街を埋めつくしたドラゴンとライオン
旧正月初日の水曜日には、マカオ政府観光局が世界遺産として知られるセナド広場や聖ポール天主之母教会跡でコミュニティ・ロードショー「2025 Chinese New Year Activities」を開催しました。
全長238メートルの金色の龍と18頭の舞う獅子が登場し、財神や福禄寿の三神、干支マスコットのヘビと共に、住民や観光客に縁起物の金の元宝を配りました。
ドラゴンとライオンの演舞の指導者の一人であるHo Kin Ho氏は、演舞を通して春節のあいさつを届けたいと話しました。
中国本土から家族で訪れた観光客のZhu Jingjingさんは、マカオで初めて子どもと春節を迎えたと語り、マカオのドラゴン・ライオンダンスはとても伝統的で独特なので、この雰囲気を子どもに感じてほしかったとその理由を明かしました。
マカオの住民Leong Ka Chunさんも幼い娘と一緒に会場を訪れ、伝統芸能を通じて子どもたちが中国文化の奥深さに触れてほしいと期待を寄せました。
ニューイヤーマーケットと路地のにぎわい
マカオ特別行政区の市政署が主催するニューイヤーマーケットは、1月22日から塔石広場で始まりました。会場には新年の贈り物や縁起物の花、スナックを扱う屋台が並び、文化公演や大規模なフラワー展示、正月飾りが雰囲気を盛り上げました。
1月末から2月末にかけては、バーラ地区で「Barra Lucky Blessing Market」も開催され、北京の恭王府博物館による年画のワークショップやポピュラー音楽のライブ、トレンド感のある雑貨のブースなどが用意されました。
中小企業の代表として出店したJames Wong氏は、このマーケットによって多くの人と出会い、事業の幅を広げる機会になっていると話します。春節のにぎわいが、地域ビジネスのネットワークづくりにもつながっている様子がうかがえます。
博物館で味わう静かな春節
街の祝祭と並行して、文化芸術施設でも特別展示が行われました。マカオ芸術博物館では、3月2日まで「Palace of Double Brilliance: Special Exhibition from the Palace Museum」と題した特別展が開催されています。
展示コーディネーターのZhao Kaixinさんによると、同館は長年にわたり中国本土の故宮博物院と協力を続けてきました。今年の展示では、歴史的な文物を通じて、訪れる人々に中国文化の美しさを伝えたいと語っています。
夜空を彩るパレードと花火
金曜日の夜には「Parade for Celebration of the Year of the Snake」がマカオ中心部で行われ、17台のフロートが街を練り歩きました。パレードに続いて、春節恒例の花火大会の第1弾も打ち上げられ、夜空を照らしました。
春節期間中の象徴的な行事として、マカオタワー海辺では2月4日と2月12日に追加の花火大会が予定され、2月8日の夜には再び春節パレードが行われる計画が示されました。祝祭は、旧正月からその後の数週間にわたって続く構成となっていました。
数字で見るマカオ観光の勢い
マカオ政府観光局のMaria Helena de Senna Fernandes局長は、世界中からの友人を歓迎すると述べ、春節の期間中に街を歩きながら多様な文化と旧正月ならではの雰囲気を体験してほしいと呼びかけました。
マカオ特別行政区の治安警察局によると、ある金曜日の午後5時までにマカオの各出入境地点で42万3000件の出入境が記録されました。
同局の見通しでは、春節連休全体で504万から536万件の出入境が見込まれ、1日平均では63万から67万件に達するとされました。これは2024年と比べて3パーセント以上の増加にあたると試算されています。
伝統行事を共有する都市としての顔
2025年の春節に見られたマカオの取り組みは、無形文化遺産となった行事を、家族連れの観光客や地域の中小企業、文化施設がそれぞれの形で共有する試みとも言えます。
巨大なドラゴンとライオンダンス、ニューイヤーマーケット、博物館の静かな展示、そして夜空を彩る花火。これらが組み合わさることで、観光都市としてのマカオは、単なる娯楽を超えて、伝統と現代が交差する場をつくり出しているように見えます。
春節をめぐるマカオの風景は、祝日をどのようにデザインし、どのように共有するかという問いを静かに投げかけています。スマートフォン越しに眺めるだけでなく、実際の空気や音、混ざり合う人の流れの中で、文化を体験する感覚がそこにはあります。
Reference(s):
Macao SAR marks Chinese New Year with dazzling celebration events
cgtn.com








