金価格が史上最高値 米関税懸念で安全資産に資金流入
国際ニュースとして注目される金価格の急騰が起きました。米国が中国、メキシコ、カナダに対する新たな関税発動を控えるなか、安全資産とされる金が史上最高値を更新しています。
金価格が初の2,800ドル超え
金のスポット価格は金曜日、1オンスあたり2,800ドルの節目を初めて突破し、2,814.62ドルまで上昇しました。gold.orgのデータによると、これは過去最高値であり、投資家が安全資産としての金に資金を移していることを示しています。
背景には、ドナルド・トランプ米大統領が中国、メキシコ、カナダからの輸入品に対して新たな関税を週末に発動するとしていたことがあります。関税が実際にどうなるか不透明ななかで、市場はリスクを避ける動きを強め、金がその受け皿になった形です。
株安・ドル高・原油高が同時進行
金が買われる一方で、株式や為替、原油市場も大きく動きました。同じタイミングで、投資家のリスク回避姿勢がどのように市場全体に波及したのかを整理します。
米株式市場はそろって下落
金曜日の米国株式市場では主要3指数がそろって下落しました。ダウ工業株30種平均は前日比0.7%安、S&P500種指数は0.5%安、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も0.3%下落しました。関税をめぐる先行き不透明感から、景気や企業収益への影響を警戒する売りが優勢となりました。
ドル指数は上昇
為替市場ではドルが買われました。円やユーロなど複数の通貨に対するドルの強さを示すドル指数は0.31%上昇し、108.42まで上昇しました。リスク回避局面では、金と同様にドルも逃避先として選好される傾向があり、その典型的な動きが表れたと言えます。
原油価格もじわり高く
原油市場では、米国産の指標であるウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が1バレル=73.48ドルまで上昇し、前日比で1%高となりました。北海ブレント原油4月渡しも0.7%高の76.54ドルまで上昇しました。トランプ政権がカナダ産原油に対する関税案の引き下げを示唆したことで、供給への懸念が和らぎ、価格の支えとなったとみられます。
なぜ安全資産として金が選ばれるのか
株式や通貨と比べて、金は発行体が存在しない実物資産であり、インフレや通貨価値の変動に対するヘッジ手段として利用されてきました。特に、関税や地政学リスクなどで先行きが読みにくくなる局面では、価値の保蔵手段としての金への需要が高まりやすくなります。
今回のように、米国の通商政策をめぐる不確実性が高まると、投資家は株式などリスク資産を一部売却し、その資金を金に振り向けることでポートフォリオ全体の値動きを安定させようとします。その結果として、金価格が一段高となる構図です。
日本の投資家が押さえておきたいポイント
こうした国際ニュースは、日本の個人投資家やビジネスパーソンにとっても無関係ではありません。為替や資源価格を通じて、日本経済や家計に影響が及ぶ可能性があるためです。
- 株式、債券、金など、資産クラスごとに値動きが異なることを意識し、分散投資の重要性を再確認する
- 金価格だけでなく、ドル指数や原油価格、米株指数の動きもあわせてチェックし、市場全体のリスクオン/オフの雰囲気を読み取る
- 急激な価格変動に追随して短期売買を繰り返すのではなく、自身のリスク許容度と投資期間に合ったスタンスを維持する
金価格の史上最高値更新は、単なる一つの数字の話ではなく、世界の投資家が今、何を恐れ、何に備えようとしているのかを映し出しています。関税をめぐる動きは今後も市場の大きなテーマであり、日本からも国際市場の変化を丁寧に追っていくことが求められます。
ニュースをただ消費するのではなく、なぜ今この動きが起きているのか、自分の生活や投資にどう関わるのかという視点を持つことで、世界の出来事がぐっと身近なものとして見えてくるはずです。
Reference(s):
cgtn.com








