中国平和維持部隊がレバノンで国連地雷除去認証 60人全員が一発合格 video poster
レバノンで国連平和維持活動(PKO)に参加している第23次中国平和維持部隊の工兵要員60人全員が、国連地雷対策サービス(UNMAS)による資格審査に一度で合格しました。地雷除去と不発弾処理の双方で国連基準を満たし、今後の任務に必要な「地雷原への通行許可」となる認証を手にしました。
60人全員が地雷除去と不発弾処理の二重認証
今回認証を受けたのは、レバノンに派遣されている第23次中国平和維持部隊の工兵部隊60人です。
- 地雷除去要員:43人
- 不発弾処理(EOD)要員:5人
- 医療要員:12人
国連地雷対策サービス(UNMAS)は、部隊キャンプ内に設けられた試験場に審査官2人を派遣し、地雷除去と不発弾処理の両分野で資格審査を行いました。60人全員が、一度の試験で両方の認証を取得しています。
この評価は、第23次中国平和維持部隊が昨年12月中旬に部隊交代を行って以来、初めての国連による正式な審査となりました。
複雑なシナリオの中で問われた「実戦力」
今回の審査では、単に教科書通りの手順を確認するだけではなく、現場で想定される複雑な状況が再現されました。審査官は、地中の信号源や不発弾(UXO)など、判断の難しいケースを意図的に組み込んだとされています。
それでも、中国の平和維持要員たちは国連の標準作業手順に沿いながら、冷静かつ着実に対処し、高い技能と安全意識を示したと評価されています。
「一歩ずつ積み上げた結果」 指揮官が語る準備の舞台裏
第23次中国平和維持多機能工兵部隊の戦闘工兵中隊長であるブー・ジェンウェイ氏は、今回の合格について次のように振り返っています。
「私たちは、国連の地雷除去標準作業手順に基づき、厳格で綿密な準備を進めてきました。全ての隊員が熱心に学び、集中的な訓練を重ね、一つひとつのステップを踏みながら認証に合格しました」と述べ、「これによって、これからの任務に向けた確かな土台が築かれた」と強調しました。
発言からは、個々の技能だけでなく、組織としての準備とチームワークが結果につながったことがうかがえます。
地雷除去資格は任務開始前の「最終試験」
国連の手続き上、地雷原で実際に活動する前に、平和維持要員は資格取得のプロセスを経る必要があります。今回のような地雷除去と不発弾処理の認証は、現場に入る前の「最終試験」の位置づけです。
国連の認証手順によると、要員は以下の流れで審査に臨みます。
- 5日間の事前訓練
- 続く3日間の本試験
試験内容は10の中核分野にわたり、30を超える項目が含まれます。具体的には、次のような実務に直結するタスクが課されます。
- 探知機の校正(キャリブレーション)
- 信号源の識別
- 地雷の掘り出し作業
- 戦場負傷者の搬送・救急
- 地雷の処分
- 爆発性物体の検査・識別
これらはすべて、現場での安全確保と直結する技術です。少しの判断ミスが命にかかわるため、国連は手順遵守とリスク管理の姿勢を重視しています。
地域の安全と平和維持活動への意味
レバノンでは、過去の紛争に由来する地雷や不発弾が、今もなお住民の生活と安全を脅かしています。こうした中で、国連基準の認証を受けた工兵部隊の存在は、
- 住民が安心して生活できる土地の拡大
- インフラ整備や農業の再開といった復興の後押し
- 国連平和維持活動全体の信頼性向上
につながる重要な要素となります。
今回、第23次中国平和維持部隊の工兵60人全員が地雷除去と不発弾処理の二重認証を取得したことは、レバノンでの今後の任務を進めるうえで、実務面でも象徴的な意味でも大きな一歩と言えます。
「見えない危険」と向き合う平和維持要員
地雷や不発弾の脅威は、目に見えにくく、終戦後も長く残り続けるのが特徴です。今回のような資格審査は、単なる技術評価にとどまらず、現場で「見えない危険」と向き合う平和維持要員の覚悟と責任を確認するプロセスでもあります。
地雷原で一歩を踏み出す前に、どこまで準備できているか。今回のニュースは、国際社会が平和維持活動の「安全」と「質」をどのように担保しようとしているのかを考えるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
Chinese peacekeepers in Lebanon pass UN mine clearing certification
cgtn.com








