中国外交部「関税戦争に勝者なし」米の追加関税に強く反発
米国が中国からの輸入品に一律10%の追加関税を発表したことを受け、中国外交部が「関税や貿易戦争に勝者はいない」と改めて警告しました。この国際ニュースは、米中関係と世界経済の行方を考えるうえで重要な一歩となっています。
米国の10%追加関税に「断固反対」
日曜日、中国外交部の報道官は声明を発表し、米国による中国からの輸入品への10%の追加関税に対し、中国側が「強い遺憾と断固たる反対」を表明していると明らかにしました。声明によれば、中国は自国の正当な権利と利益を守るため、「必要な対抗措置」を取る方針です。
報道官は、中国の立場は「一貫して明確」であり、米国による一方的な関税引き上げは、世界貿易機関(WTO)のルールに深刻に違反するものだと指摘しました。
今回のポイント
- 米国が中国からの輸入品に10%の追加関税を発表
- 中国外交部は「関税や貿易戦争に勝者なし」と強調
- 一方的な関税引き上げはWTOルール違反だと中国側が主張
- フェンタニル対策をめぐる米中協力への悪影響も懸念
「国内問題は解決せず、世界にも利益なし」
外交部の声明は、米国の追加関税は米国内の問題を解決することはできず、米中双方、さらには世界にとって利益にならないと強調しています。関税を通じた圧力や報復の応酬では、どちらの側も真の意味での「勝者」にはなり得ないというメッセージです。
中国側は、貿易や関税を政治的な圧力の手段として用いることは、国際経済全体の安定にも悪影響を及ぼすと警戒感を示しています。
フェンタニル問題と関税問題の結びつき
今回の声明のもう一つの焦点が、麻薬対策、とくに合成オピオイド「フェンタニル」をめぐる米中協力です。報道官は、中国が政策とその実施の両面で、世界でも最も厳格な薬物対策をとっている国の一つだと説明しました。そのうえで、フェンタニル問題は主として米国側が抱える課題だと指摘しています。
中国側によれば、「人道と善意」の精神に基づき、米国の要請を受けて2019年にフェンタニル関連物質をクラスとして一括指定することを正式に決定しました。こうした包括的な指定を行ったのは、「世界で最初の国だ」と強調しています。
追加関税は麻薬対策協力にも悪影響と警告
外交部の報道官は、米国が他国に対して恣意的な関税引き上げによる圧力をかけるのではなく、自国のフェンタニル問題を客観的かつ理性的に見つめ、解決を図るべきだと訴えました。
声明は、今回のような追加関税は建設的とは言えず、今後の米中間の麻薬対策協力に悪影響を与え、「損なう」ことになると警鐘を鳴らしています。中国側は、米国に対し誤った行動を正し、これまで築かれてきた麻薬対策協力の「好ましい流れ」を維持するよう呼びかけました。
米中関係と国際社会への含意
声明は最後に、麻薬対策を含む協力を維持・発展させることが、米中関係の「安定的・健全かつ持続可能な発展」に資するとの考えを示しています。中国側は、関税の応酬ではなく対話と協力を通じた問題解決こそが望ましいとの姿勢を改めて打ち出した形です。
貿易や関税をめぐる緊張は、企業の投資判断やサプライチェーンだけでなく、最終的には消費者の負担にもつながります。今回の中国外交部のメッセージは、米中両国だけでなく、国際社会全体が不確実性に直面するなかで、「緊張をどう管理し、協力の余地をどう広げるのか」という問いを、私たちに静かに投げかけています。
Reference(s):
There is no winner in trade or tariff war: Chinese Foreign Ministry
cgtn.com







