中国の氷雪経済が急成長 消費をけん引する新たなエンジンに
中国で「氷雪経済」と呼ばれる氷や雪を舞台にした産業が急成長しています。国民の生活水準の向上と健康志向の高まりを背景に、氷雪スポーツや観光が消費を押し上げ、地域経済の新たな成長エンジンになりつつあります。
氷雪経済とは何か
氷雪経済は、氷や雪に関連する複数の産業が連携して成り立つ総合的な経済システムとされています。スキーやスケートといった氷雪スポーツに加え、関連する観光、サービス、周辺ビジネスまでを含む広い概念で、中国ではここ数年で存在感を急速に高めてきました。
市場規模は2015年2700億元から2025年1兆元へ
氷雪産業の市場規模は、研究報告によると、2015年には2700億元でしたが、2024年には9700億元まで拡大しました。さらに2025年には、1兆元に達することが見込まれています。
政府はこの成長を踏まえ、氷雪産業の発展を支える複数の政策を打ち出してきました。2027年までに1.2兆元、2030年までに1.5兆元という目標も掲げられており、政策支援と市場拡大が同時に進む構図が見えてきます。
健康志向と体験型消費が後押し
氷雪経済の急成長の背景には、中国の人々の健康意識の高まりと、生活の質へのこだわりがあります。氷雪スポーツは、体力づくりに役立つだけでなく、自然との一体感を味わえるアクティビティでもあります。こうした体験は、より健康的で充実したライフスタイルを求める人々の志向と重なっています。
その結果、個性重視、多様性重視、体験重視の消費が大きく伸びています。スキーやスケートなどのスポーツは、新鮮さやユニークな体験を求める需要に応え、消費者の活力を引き出しています。単なるモノの購入ではなく、体験そのものに価値を見いだす流れが、氷雪経済を支える重要な柱になっているのです。
氷雪スポーツの裾野拡大と地域経済への波及
氷雪経済のインパクトは、参加人口の急増にも表れています。氷雪スポーツを楽しむ人はすでに3億1300万人に達しており、この数は2025年までに4億人を超えると見込まれています。これだけ多くの人がスキー場やリンクを訪れれば、周辺の宿泊、飲食、交通などにも波及効果が広がり、地域経済にとって重要な成長源となります。
こうした動きにより、氷雪経済は一部の地域にとって、これまでの産業構造を補完する新しいエンジンとなっています。特に冬季に観光需要が集中する地域では、氷雪関連のイベントやサービスが、雇用創出や収入増につながることが期待されています。
政策と市場の両輪で広がる今後の可能性
氷雪経済の急速な発展は、政策による後押しと旺盛な市場需要という二つの要因がかみ合って生まれたものです。政府の支援策が産業にとって好ましい環境を整え、健康や体験を重視する消費者のニーズが、その中身を豊かにしています。
記事執筆時点の2025年12月現在、中国の氷雪経済は、2025年1兆元、2027年1.2兆元、2030年1.5兆元という成長シナリオに向けて動き続けています。今後は、どのように質の高いサービスや多様な体験を提供しつつ、地域ごとの特色を生かしていくかが焦点になりそうです。
氷や雪という資源を軸に、新たな消費市場と地域振興を同時に進める中国の試みは、アジアの他の国や地域にとっても参考となる部分が少なくありません。冬の観光やスポーツをどう成長産業へと育てていくのか。氷雪経済の動向は、これからの国際ニュースの中でも注目しておきたいテーマです。
Reference(s):
The rise of ice and snow economy: New engine of China's consumption
cgtn.com








