パキスタン在住中国人、遠く離れて祝う春節の新しいかたち video poster
パキスタンに暮らす中国人コミュニティでも、春節を迎える準備が静かに進んでいます。祖国から遠く離れた地で、人びとはどのようにして「春節らしさ」を守り、新しい祝い方を生み出しているのでしょうか。
パキスタンでも高まる春節ムード
2025年12月現在、パキスタンには数千人規模の中国人が暮らしているとされ、首都イスラマバードやカラチ、ラホールなどの都市を中心に、中国語学校やチャイニーズレストラン、小規模な商店が点在しています。春節は彼らにとって、一年で最も大切な家族行事です。
春節が近づくと、中国人コミュニティの集合住宅やオフィスには赤い飾りや提灯が掲げられ、旧暦のカレンダーが配られます。限られた材料のなかでも、できるだけ中国本土と同じ雰囲気を再現しようと工夫する姿が見られます。
なぜパキスタンに中国人が集まるのか
パキスタンに暮らす中国人の多くは、インフラ建設やエネルギー関連のプロジェクトに携わる技術者やビジネスパーソン、大学で学ぶ留学生などです。仕事や学びの拠点をパキスタンに移し、長期で滞在する人も少なくありません。
こうした人びとにとって、春節は単なる連休ではなく、「離れていても自分がどこから来たのか」を確認する時間でもあります。同時に、パキスタンの友人や同僚に自分たちの文化を紹介する機会にもなっています。
離れていても春節を感じるための新しい工夫
祖国から遠く離れて暮らす中国人は、パキスタンならではの環境を生かしながら、春節を祝う新しいスタイルを模索しています。代表的な工夫として、次のような例が挙げられます。
- オンラインでの「団らん」:中国本土の家族とビデオ通話をつなぎ、同じ時間に年越しの料理を囲む。画面越しに新年のあいさつを交わし、「離れていても一緒にいる」感覚を大切にする。
- 中パ合作の食卓:餃子や春巻きといった中国の定番料理に加え、ビリヤニやカラヒといったパキスタン料理も並べる「ミックスメニュー」の春節パーティーを開く。互いの家庭料理を交換し合うことで、自然な文化交流が生まれる。
- コミュニティ主催の文化イベント:子ども向けに紙の切り絵や書道のワークショップを開催し、パキスタンの近隣住民も招く。赤い紙に吉祥文字を書いたり、干支の飾りを一緒に作ったりして、春節の意味を共有する。
こうした取り組みは、中国人コミュニティの結束を高めるだけでなく、パキスタンの人びとが春節や中国文化に触れる入口にもなっています。
国境を越える「一年のはじまり」
パキスタンで春節を迎える中国人にとって、祝日のかたちは中国本土と少し違っていても、「新しい一年を良いものにしたい」という願いは変わりません。爆竹の音の代わりにオンラインの通知音が鳴り響き、実家の食卓の代わりに国際色豊かなテーブルを囲む――その風景は、グローバル化した時代の春節の姿ともいえます。
私たち日本の読者にとっても、海外で暮らす人びとがどのように「年のはじまり」を迎えているのかを知ることは、自分自身の暮らしや文化を見つめ直すきっかけになります。国や地域を越えて共有されるのは、最終的には「家族や友人とつながりたい」という、ごくシンプルな思いなのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








