イランが米国のガザ統治・パレスチナ移転案を非難 国際法違反と指摘
トランプ米大統領がガザ地区を米国が掌握し、パレスチナ人を周辺国に移転させる構想に言及したことに対し、イラン外務省が強く反発しました。本記事では、この発言とイラン側の批判内容を整理し、国際法や人権の観点から何が問われているのかを解説します。
トランプ米大統領が示したガザ統治・移転案とは
トランプ米大統領は、イスラエルのネタニヤフ首相との共同記者会見の場で、米国がガザ地区を掌握し、ガザのパレスチナ人を周辺の国々へ移転させた上で、沿岸地域を再開発する構想に言及しました。
発言によると、米国がガザ地区を事実上コントロールし、その後の再開発を主導することが念頭に置かれているとみられます。この構想は、現地の住民を他の国へ移動させることを含んでいる点で、国際社会に大きな波紋を広げています。
イラン外務省報道官「パレスチナ民族の完全な抹消につながる」
こうした米国の構想に対し、イラン外務省のエスマイル・バーガイ報道官は、水曜日の夜に発表した声明で強く非難しました。
バーガイ報道官は、トランプ氏の発想について「驚くべきものであり、イスラエルが狙ってきたパレスチナ民族の完全な抹消計画と軌を一にするものだ」と指摘しました。
さらに、ガザ地区を所有しようとする構想そのものが「国際法のあらゆる基本原則と国連憲章に対する前例のない違反だ」と強調し、この計画は国際社会によって全面的に退けられ、強く非難されるべきだと訴えました。
国際法と人権から見た問題点
イラン側が特に問題視しているのは、ガザ地区のコントロールを第三国が一方的に握るという発想と、住民を他地域へ移転させるという点です。
- 領土の取得を前提とする発想は、主権や領土保全を重んじる国際法の原則と緊張関係にあります。
- 住民を外部の力で移転させることは、民族自決権や居住の自由など、人権の基本原則と衝突しうる行為とみなされます。
- ガザ地区の再開発が仮に行われた場合でも、そこに暮らす人びとの意思や権利が尊重されない形で進められれば、正統性が問われる可能性があります。
バーガイ報道官は、今回の米国の構想が「生得的な国際法の原則や人権のルールと明白に矛盾している」として、国際法と人権の双方の観点から強い懸念を示しました。
国際社会と国連への呼びかけ
イラン外務省は声明の中で、国際社会と国連に対し、この米国の構想と立場を断固として非難するよう求めました。また、パレスチナの人びとの民族自決権を回復し、占領状態から解放するために行動するよう呼びかけています。
今後、各国や国際機関がこの呼びかけにどう応えるのか、中東和平の行方とあわせて注目が集まりそうです。
私たちが押さえておきたいポイント
今回の国際ニュースを理解するうえで、次の点を押さえておくことが重要です。
- ガザ地区の統治や再開発を誰がどのような権限で行うのか。
- 現地に暮らすパレスチナの人びとの意思と権利が、どこまで尊重されるのか。
- 国連憲章や国際人権法が掲げる原則と、各国の安全保障や外交上の思惑をどう調整するのか。
中東情勢は、日本から見ると遠く感じられるかもしれません。しかし、領土や民族、難民、国際法といったテーマは、世界の多くの地域で共有される課題でもあります。今回の議論をきっかけに、国際社会がどのようにルールを守り、紛争の解決を目指すべきなのか、静かに考えてみる必要がありそうです。
Reference(s):
Iran condemns U.S. plan to control Gaza, relocate Palestinians
cgtn.com








