アジア冬季競技大会の意味とは 元FIS事務総長が語る中国発の変化 video poster
中国・ハルビンでの第9回アジア冬季競技大会を前に、国際スキー連盟(FIS)で初の女性事務総長を務めたサラ・ルイス氏が、中国の冬季スポーツの広がりと大会の意義について語っていました。
ルイス氏は、中国の国際ニュースチャンネルCGTNのスポーツ番組「Talk Sports」に出演し、司会のグレッグ・ラフラディ氏とともにアジア冬季競技大会の「有望な可能性」について議論しました。
アジア冬季競技大会は「特別な機会」
第9回アジア冬季競技大会は、中国東北部の黒竜江省ハルビンで2月7日から14日まで開催される大会として紹介されました。規模では冬季オリンピックには及ばないものの、ルイス氏はこの大会が持つ独自の魅力を強調しています。
ルイス氏は、アジア冬季競技大会について「アジア各地の冬季スポーツの才能が集まる特別な機会であり、素晴らしいショーケースだ」と語りました。中国、日本、韓国といった冬季スポーツの強豪に加え、中央アジアや南アジアの新興国が同じ舞台に立つ点に注目しています。
さらに彼女は、アジア冬季競技大会が若い選手にとって貴重な「踏み台」になると指摘します。多種目の国際大会を経験することで、選手たちは競技レベルだけでなく、メンタル面やチーム運営など、オリンピックにつながる総合力を養うことができるからです。
- 強豪国と新興国が同じリンクやコースに立つ
- 多種目大会ならではの雰囲気とプレッシャーを経験できる
- アジア発のスター選手が生まれる土壌になる
「3億人を冬季スポーツへ」中国の挑戦
アジア冬季競技大会の議論と並んで、ルイス氏が高く評価したのが、中国における冬季スポーツの裾野拡大です。中国は、北京と張家口で2022年冬季オリンピックを開催する前に、「3億人を氷雪スポーツに参加させる」という目標を掲げました。
中国国家統計局が2022年1月に発表した調査によると、2015年に北京が2022年冬季大会の開催権を獲得して以降、中国では3億4600万人以上が何らかの冬季スポーツに参加したとされています。
ルイス氏は、この結果について「北京での2022年冬季オリンピック開催から生まれた、最も顕著でポジティブな成果の一つであることは間違いない」と評価しました。さらに「中国の関係者全員のコミットメントこそが成功要因であり、冬季スポーツ全体の開発努力は本当に目を見張るものだった」と強調しています。
当初掲げられた3億人という目標についても、彼女は「非常に野心的だったが、明確に達成され、むしろ上回った」と振り返りました。
なぜこの数字が重要なのか
3億4600万人という規模は、単なる「参加者数」を超えた意味を持ちます。スキーやスノーボード、スケートなどに触れる人が増えることで、次のような変化が起こりうるからです。
- 競技者や指導者の裾野が広がり、トップレベルの選手が生まれやすくなる
- 観客やファンが増え、国内外の大会への関心が高まる
- 施設整備や用具産業、観光など、関連産業が発展しやすくなる
こうした動きは、中国だけでなくアジア全体の冬季スポーツの存在感を押し上げる力になりえます。
アジアと日本にとってのチャンス
ルイス氏が語ったアジア冬季競技大会の意義と、中国での冬季スポーツ人口の急増は、日本を含むアジア各国にとっても無関係ではありません。
- 中国や日本、韓国など既存の冬季スポーツ強豪国にとっては、競争相手の増加がさらなるレベルアップの刺激になる
- 中央アジアや南アジアの国々にとっては、アジア冬季競技大会がオリンピックや世界選手権へのステップになる
- 地域内での大会や合宿、交流が増えれば、相互理解や人的ネットワークも広がる
日本の読者にとっても、アジア冬季競技大会は「遠くの大会」ではなく、自国のアスリートや産業、そしてスポーツ文化の将来を考えるヒントになるイベントだと言えるでしょう。
「読み流さずに考えたい」アジア冬季競技大会の意味
サラ・ルイス氏の言葉から浮かび上がるのは、アジア冬季競技大会が単なる地域大会にとどまらず、アジア全体の冬季スポーツを押し上げる装置になりうるという視点です。
3億人以上が冬季スポーツに参加したという中国発のダイナミズムと、アジア各地から集まる選手たちの挑戦。その交わる場所としてのアジア冬季競技大会を、私たちはどう位置づけるべきでしょうか。
通勤時間やスキマ時間にニュースを追う中でこそ、こうしたスポーツの動きが、地域のつながりや自分たちの未来の選択にどう関わってくるのかを、少し立ち止まって考えてみる余地がありそうです。
Reference(s):
Talk Sports: Former FIS chief on significance of Asian Winter Games
cgtn.com







