ハルビンに出現した「氷の滝」 マイナス30度が生んだ冬の絶景
2025年2月上旬、中国黒竜江省ハルビン市で気温がマイナス30度前後の日が続き、河川の合流地点に自然の「氷の滝」が現れました。極寒の中国北東部で生まれたこの冬の絶景は、国際ニュースとしても「いまの中国の冬」を伝える象徴的な風景と言えます。
ハルビン中心部で川がつくった氷のカーテン
今回の氷の滝が見られたのは、ハルビン市の中心部を流れる河川、何家溝(Hejiagou)と松花江(Songhua River)が合流する地点です。市街地の近くで起きた自然現象という点でも、地元の人びとの関心を集める存在になっています。
春の足音が近づくはずの時期でありながら、ハルビンでは2月上旬になっても厳しい寒さが続きました。気温はマイナス30度前後にまで下がり、流れ続ける川の水と極寒の空気が重なったことで、流れ落ちる水が次々と凍りつき、高さのある氷の壁が形成されたとみられます。
「凍った波」や「水晶彫刻」のような姿に
一帯に形成された氷の滝は、単なる氷の塊ではなく、さまざまな表情を見せています。流れの速さや風向き、日々の寒暖差の違いによって、氷の形は少しずつ変化し、自然がつくり出すアートのような景観になっています。
- 重なり合う氷が「凍った波」のように見える部分
- 透明度の高い氷が「水晶彫刻」を思わせる部分
- 表面がざらつき、岩肌のような質感を帯びた部分
同じ場所であっても見る角度や時間帯によって印象が変わり、柔らかな日差しが当たると、氷の層が淡い青や白に輝きます。人工的なイルミネーションではなく、自然光だけで生まれるコントラストという点でも、独特の美しさがあります。
極寒が生む現象、その背景にあるもの
今回のような氷の滝は、いくつかの条件がそろうことで生まれます。
- 日中もほとんど気温が上がらない、連日の厳しい冷え込み
- 完全には氷結しない程度に、流れ続ける川の水
- 落差のある地形や護岸構造など、水が「落ちる」ポイント
流れ落ちる水しぶきが空気中で一気に凍り、それが積み重なることで、時間をかけて大きな氷の壁ができていきます。今回ハルビンの河川で見られた現象は、極端な寒さが続いたからこそ現れた、一種の「季節の記録」とも言えます。
「春が近いのに寒い」季節ギャップを映す景色
今回の氷の滝を特徴づけているのは、発生した時期です。暦の上では春が近づく2月上旬でありながら、ハルビンでは依然として真冬並み、あるいはそれ以上の寒さが続いていました。
日差しや日没時間の変化から「そろそろ春」という感覚が生まれ始める一方で、体感温度は厳冬のまま。この「季節感のギャップ」を、凍りついた水のダイナミックな姿が象徴しているとも言えます。氷の滝は、カレンダーの季節と体感としての季節とのズレを、視覚的に見せてくれる存在でもあります。
デジタル時代に広がる冬の絶景
国際ニュースやSNSを通じて、遠く離れた土地の冬景色が瞬時に届くようになった今、こうした自然現象は、世界の人びとに季節感を共有させるきっかけにもなります。氷の滝のようなインパクトのある風景は、写真や動画との相性も良く、「見てみたい」「現地の空気を感じてみたい」と想像をかき立てます。
スマートフォン一つで撮影から発信までできる時代に、ハルビンで生まれた氷の滝は、単なる観光スポットを超え、「いまこの瞬間の寒さ」と「自然の力」を世界に伝えるメッセージのような存在になり得ます。
私たちが受け取るメッセージ
今回のニュースは、次のような問いを私たちに投げかけているようにも見えます。
- 極端な寒さや暑さの中で、自然はどのような姿を見せるのか
- その変化を、都市に暮らす私たちはどう受け止めるのか
- 写真や動画で切り取られた風景を通じて、世界の季節感をどう共有していくのか
ハルビンの氷の滝は、過酷な自然条件の中でも生まれる美しさと、その裏側にある厳しさの両方を、静かに伝えているように見えます。スマートフォンの画面越しにその姿を眺めるとき、そこに吹く空気の冷たさや、静まり返った河川の音にも、少し思いを馳せてみたくなります。
Reference(s):
Majestic ice waterfalls form in Harbin amid frigid temperatures
cgtn.com








