中国ハルビン発:Hongzhuan朝市、マイナス20度を温める100年の朝ごはん
中国東北部・ハルビンのHongzhuan Morning Market(Hongzhuan朝市)は、マイナス20度の朝でも湯気と人の熱気であふれています。1903年にロシア人のパン職人たちが焼きたてのパンを売り始めて以来、2025年現在まで120年以上にわたって街の朝ごはん文化を支えてきました。本稿は、国際ニュースの一つとして、このローカル市場を通じて見えるハルビンの暮らしを、日本語で分かりやすくお伝えします。
マイナス20度の冷気と、市場のあたたかさ
冬のハルビンの朝は、気温がマイナス20度まで下がる厳しい寒さです。そのなかでHongzhuan朝市に一歩足を踏み入れると、屋台から立ちのぼる湯気と、人々の会話や笑い声が冷たい空気を押し返しているように感じられます。
通りには、スーツケースを引いた観光客と、いつものように買い物に来た地元の人たちが自然に混ざり合います。旅行者にとっては、観光地の名所とは少し違う、生活の匂いがする現場。地元の人にとっては、変わらない日常の一部です。
1903年から続く朝ごはんパラダイス
Hongzhuan朝市の歴史は、1903年にロシア人のパン職人たちがこの通りでパンを売り始めたことから動き出しました。焼きたてのパンの香りが通りを満たし、人々が朝一番に立ち寄る場所として親しまれるようになったとされています。
それから100年以上がたった今も、この通りは食べることが好きな人のための天国のような存在であり続けています。朝早くから屋台が並び、それぞれが自慢の一品を用意し、通りはにぎやかな朝ごはんの回廊になります。
湯気の向こうに立ちのぼる、東北の味
現在のHongzhuan朝市では、冬の空気に溶け込むように、さまざまな朝ごはんの香りが漂います。なかでも印象的なのが、次のような素朴で温かい一品たちです。
- sticky bean buns(甘い豆を使った、もちっとした食感のパンや蒸しパン)
- 焼きナシ(roasted pears)
- 焼きイモ(sweet potatoes)
これらの湯気の立つ軽食を手に、観光客も地元の人も、手袋を外しては一口かじり、またポケットに手を戻します。白い息を弾ませながら歩く人の列と、屋台の明かり、そして香ばしい匂い。その組み合わせが、市場全体に冬なのにどこか温かい空気をつくり出しています。
観光と日常が交差する市場
Hongzhuan朝市の特徴は、観光客向けに整えられた見せるための市場ではなく、地元の暮らしの延長線上にある場所でありながら、旅行者も自然に溶け込んでいる点にあります。スーツケースを引く人の隣で、買い慣れた様子の住民がいつもの屋台に声をかける光景は、この市場が生活と観光の両方を受け止めていることを物語っています。
2025年のいま、世界各地への旅行では、その土地の朝ごはんを入り口に、その地域の文化や価値観に触れようとする人が増えています。Hongzhuan朝市は、その意味で、ハルビンという街のリズムや、人々の時間の使い方を感じ取ることができる場所だと言えるでしょう。
マイナス20度の先にある生活のぬくもり
厳しい寒さのなかでも、市場の人々は慣れた手つきで料理をつくり、客とのやり取りを楽しんでいます。朝の短い時間にここを訪れる人たちは、温かい一品を求めているだけでなく、こうしたやり取りを通じて、互いの存在を確かめ合っているようにも見えます。
もしハルビンを訪れる機会があれば、観光名所だけでなく、こうしたローカルな朝市にも目を向けてみると、その街の体温が少しだけ伝わってくるかもしれません。Hongzhuan朝市は、マイナス20度の世界のなかで、生活のぬくもりを可視化してくれる場所として、これからも静かに愛され続けていきそうです。
Reference(s):
Hongzhuan Morning Market in Harbin: a century of breakfast flavors
cgtn.com








