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中国でバードウォッチング熱、エコツーリズムを後押し
中国各地でバードウォッチングが人気を集め、自然を楽しむエコツーリズムの観光地づくりが進んでいます。希少な野鳥をきっかけに、人と自然の距離を縮める動きが広がっています。
全国の景勝地に「野鳥目当て」の旅行者が集結
2025年の中国では、バードウォッチングを目的にした国内旅行が静かなブームになっています。全国の景勝地には、双眼鏡やカメラを手にした自然愛好家が集まり、渡り鳥や希少種の観察を楽しんでいます。
こうした動きは、自然環境を生かしたエコツーリズムの成長を後押ししているとみられます。野鳥観察という明確な目的があることで、従来の観光とは違った「学び」と「体験」を重視した旅が増えつつあります。
江西省余干県・鄱陽湖:230種の希少な鳥が集まる楽園
東部の江西省余干県では、鄱陽湖周辺に約230種もの希少な鳥が集まり、その存在がエコツーリズムの核になっています。シロヅルやハクチョウ、オリエンタル・コウノトリなど、多様な水鳥が観察されているとされています。
余干県の観察スポットには、毎日数万人規模の観光客がバードウォッチングに訪れており、湖畔は大きなにぎわいを見せています。今年1月30日には、同じ鄱陽湖で絶滅危惧種のシベリアクロヅルの群れが確認されるなど、世界的にも貴重な野鳥観察の場として注目されています。
野鳥を静かに観察するツアーは、自然保護と地域の観光振興を両立させる取り組みとして位置づけられています。
山東省・煙墩角村:雪景色の中を舞うハクチョウ
東部の山東省にある煙墩角村でも、ハクチョウの一種であるオオハクチョウが冬の観光の主役になっています。雪の積もった風景の中を優雅に泳ぐ白いハクチョウの姿は、多くの観光客の心をつかんでいます。
村ではハクチョウ保護ステーションを設置し、専任の管理チームを組織。毎日の巡回パトロールを行い、鳥たちの安全を守っています。地元の住民も自発的に保護活動に参加し、餌場の見守りやゴミの回収などに協力しています。
バードウォッチングの人気が、地域住民と訪問者が一体となって自然を守るきっかけになっている点が特徴的です。
青島・栈橋ではカモメの大群が観光資源に
山東省青島市の栈橋埠頭でも、野鳥が新たな観光の主役になっています。南側の海岸線には多くのカモメが飛来し、その姿を撮影しようと観光客が集まっています。
栈橋景勝地管理センターの謝勇・副主任によると、現在、この一帯にはおよそ10万羽を超えるカモメが集まっていると推計されています。海面すれすれに飛ぶカモメに向けてカメラを構える人々の姿は、この季節ならではの風物詩になっています。
エコツーリズムとしての広がりとこれから
今回紹介した江西省余干県、山東省煙墩角村、青島市栈橋の事例はいずれも、野鳥が地域の「顔」となり、エコツーリズムの核になっている点が共通しています。
- 希少種や渡り鳥を中心に据えた観光資源づくり
- 保護ステーションや管理チームによる日常的な見守り
- 住民が自発的に参加する自然保護の取り組み
- 写真撮影や観察会など、体験型の観光コンテンツ
こうした仕組みは、自然への負荷を抑えながら観光需要に応えるエコツーリズムの一つのモデルといえます。2025年の今、中国各地で進むバードウォッチングを軸にした観光の動きは、アジアの他地域にとっても参考になる事例となりそうです。
スマートフォン片手に野鳥の姿を撮影し、SNSで共有する旅行者が増える中で、「自然を楽しみながら、どう守っていくか」という問いが、これから一層重要になっていきます。
Reference(s):
cgtn.com








