中国外務省、AI国際協力の強化に意欲 DeepSeek巡る議論に言及
中国の人工知能(AI)企業DeepSeekをめぐる議論が高まるなか、中国外務省のGuo Jiakun報道官は月曜日の記者会見で、AI分野での国際的な交流と協力を一層強化する用意があると表明しました。AIの安全確保と企業のイノベーション支援、そして技術の政治化への懸念など、中国のスタンスがまとまって示された形です。
中国外務省、AI協力強化への姿勢を表明
記者会見でGuo報道官は、最近話題となっている中国のAI企業DeepSeekに関する質問に答えるなかで、中国はAIの変革を積極的に受け入れ、その発展を後押ししていると強調しました。そのうえで、中国はAI分野での交流と協力を深める準備ができていると述べ、国際的なAI協力に前向きな姿勢を示しました。
AIの安全性を重視しつつ、企業のイノベーションを後押し
Guo報道官は、中国がAIの安全性とセキュリティを真剣に受け止めているとしたうえで、中国企業の起業的なイノベーションを支援していく考えを示しました。AIによるリスクに目を配りながらも、民間企業の挑戦を後押しし、世界のAI発展に中国として貢献していくという立場です。
AIを「危険だから抑えるべきもの」とみなすのではなく、安全を確保しつつ成長を促す対象として位置づけている点は、今後の国際的なAIルールづくりを考えるうえでも重要なメッセージといえます。
イデオロギー対立や「安全保障」を理由にした線引きに反対
一方でGuo報道官は、中国がイデオロギーの違いを理由に線引きを行うことに反対していると述べました。また、安全保障の概念を必要以上に広げすぎることや、貿易・技術の問題を政治問題として扱うことにも反対する立場を示しました。
つまり、AIや高度な技術を、特定の国や陣営同士の対立を深める道具とするのではなく、協力と開かれた交流の土台として位置づけるべきだ、というメッセージが込められていると考えられます。
「AIを善のために、すべての人のために」
Guo報道官はさらに、中国が「AIを善のために、すべての人のために」活用できるようガバナンス(統治・ルールづくり)に取り組んでいると強調しました。AIの開発と利用において、開かれた包摂的な環境をつくり、可能性の大きいこの分野を各国とともに深く切り開いていきたいと呼びかけています。
ここには、AIを一部の国や企業だけの利益のためではなく、より多くの人びとの利益につながる形で発展させたいという姿勢が表れています。国境を越えた協力とルールづくりを重視する姿勢は、今後の国際的な議論の中でも一つの基準となりそうです。
読者が押さえておきたいポイント
今回の発言から、AIと国際協力をめぐる中国のスタンスとして、次のようなポイントが見えてきます。
- 中国外務省は、AI分野での国際的な交流・協力を一層強める用意があると表明した。
- AIの安全性とセキュリティを重視しつつ、中国企業のイノベーションを支援し、世界のAI発展に貢献していく姿勢を示した。
- イデオロギーの違いや安全保障の名目で、貿易や技術を政治的に線引きすることには反対する立場を強調した。
- AIを「善のために」「すべての人のために」活用するため、開かれた包摂的な環境づくりと国際協力を呼びかけた。
AIの技術そのものだけでなく、「どのような価値観やルールのもとでAIを開発・利用していくのか」というガバナンスの問題は、これからの社会のかたちを左右します。各国がどのような言葉でAI協力を語り、どのような線引きを避けようとしているのか。ニュースの背景を意識しながら、継続的にフォローしていきたいテーマです。
Reference(s):
China stands ready to enhance exchange and cooperation on AI
cgtn.com








