中国アニメ映画『哪吒2』、世界で異例のヒット IMAX席も争奪戦
中国アニメ映画『哪吒2(Ne Zha 2)』が中国の興行収入を席巻するだけでなく、欧米やオセアニアでも上映館が拡大し、IMAX席を中心にチケットが争奪戦となっています。国際ニュースとしても、映画を通じた中国と世界の関係を映し出す動きとして注目されています。
世界各地でチケットが「完売続き」
中国で大ヒット中のアニメ映画『哪吒2』は、海外の映画館でも熱い支持を集めています。国際公開が始まると、SNS上には「IMAXの良い席がほとんど埋まっている」といった嘆きが相次ぎました。
米国では、大手チェーンのAMCが予想外の需要に対応するため、ニューヨークやロサンゼルスで深夜や真夜中の追加上映を組んでいます。人気スクリーンの座席は早い段階で埋まり、オンライン予約でも希望の時間帯を確保しにくい状況が生まれています。
ニューヨークのコロンビア大学で映画を学ぶ若い批評家の Jiang Xiangxiang さんによると、マンハッタンでは7〜8館あるAMCのうち2〜3館が『哪吒2』を上映しており、上映回数自体は多くないものの客入りは好調だといいます。
オーストラリアとニュージーランドでは、木曜日から一般公開が始まる予定で、その前に行われた主要都市での先行上映はすでに満席が続出しました。米国とカナダでも、金曜日から本格公開がスタートし、多くの都市で観客の期待が高まっています。
国内興行は920億元超 世界アニメ史上トップ5入り
中国国内では、『哪吒2』の勢いはさらに加速しています。水曜日正午時点で、興行収入は92億元(約13億ドル)を突破し、観客動員は1億8700万人以上に達しました。興行データを集計する Dengta Data によると、これは世界のアニメ映画として歴代5位の記録であり、トップ5の中で唯一の非ハリウッド作品だとされています。
作品への期待値も高く、同作は公開完了前の段階で映画データベースサイト IMDb で10点満点中8.1という高い評価を獲得していました。美しいビジュアルと緻密なストーリーテリング、大胆なスケールの演出が高く評価されています。
『哪吒2』は1900カット以上の特殊効果ショットと、1万を超える要素を組み合わせて制作されたとされ、プロジェクトには中国各地の138のアニメーション制作会社が参加しました。その規模は、中国アニメ産業の総力を結集した作品と言えるものです。
5年で生まれた「傑作」への海外のまなざし
Jiang Xiangxiang さんは、「特にマンハッタンでは上映館の数自体は限られているものの、観客の反応は非常に良い」と指摘します。IMDb のスコアが示すように、現地の観客も『哪吒2』の「美しい特殊効果」や「誠実な作り」を評価しており、「これほどの作品がわずか5年でどのように完成したのか」に強い関心を寄せているといいます。
Jiang さんは、『哪吒2』は今後も海外で興行成績を伸ばし続けるだろうと見ており、中国アニメへの注目がさらに高まるきっかけになると期待しています。
映画がつなぐ、中国と世界
中国外交部の報道官 Guo Jiakun 氏は、水曜日の会見で、中国映画の海外公開について、中国と世界との交流に新たな架け橋を築き、世界が中国を見るための新しい窓を開いていると評価しました。
『哪吒2』のような中国映画が各国で受け入れられつつあることは、単なる興行的成功にとどまらず、文化や価値観を互いに知るための新しいチャンネルが広がっていることを意味します。スクリーンを通じて、中国のクリエイターがどのような物語を語りたいのかに、世界の観客が耳を傾け始めているとも言えます。
日本の観客にとっての意味
日本でもアニメは主要なカルチャーの一つですが、『哪吒2』のように中国発の大作アニメが世界で成功を収めている現状は、国際アニメ市場の勢力図が変化しつつあることを示しています。国際ニュースとしても、アニメが各国の「ソフトパワー」を支える重要な産業になっている流れが読み取れます。
今後、日本での公開や配信の有無にかかわらず、海外で話題を集める中国アニメ作品をチェックしておくことは、エンタメとして楽しむだけでなく、世界のカルチャーや社会の動きを理解する上でもヒントになりそうです。
中国アニメ映画『哪吒2』が世界の観客をどこまで惹きつけ、記録を伸ばしていくのか。今後の興行と国際的な評価の行方に、引き続き注目が集まります。
Reference(s):
'Ne Zha 2' ready to soar globally with tickets in hot demand
cgtn.com








