黄河の氷上を渡り鳥が舞う 山東省・東営で広がった冬の絶景 video poster
黄河の氷上を渡り鳥が舞う 山東省・東営の冬の絶景
中国東部・山東省の黄河で、流氷の上を渡り鳥の大群が滑るように飛ぶ幻想的な光景が広がりました。空を覆う鳥の群れと、解け始めた氷がつくるコントラストが、現地で大きな話題になっています。
空を覆う渡り鳥と流氷の帯
この現象が見られたのは、黄河が渤海へと流れ込む河口部に位置する山東省東営市です。海に近いこの地域は、長距離を移動する渡り鳥にとって重要な「中継地」となっており、毎年多くの鳥が翼を休めにやってきます。
報道によると、黄河の川面には大きな氷の塊が帯のように連なり、その上空を無数の渡り鳥が滑空しました。鳥たちは流氷の上でひと休みしたあと、再び一斉に飛び立ち、冬の空に独特のリズムを描いていきます。
2024年12月15日に撮影された黄河デルタ国家級自然保護区の写真でも、流氷の上で羽を休める渡り鳥の姿が印象的に収められており、この地域が渡り鳥にとって重要な休息地であることがうかがえます。
2月7日から続いた流氷、約400キロにわたって観測
現地の観測では、黄河では2月7日から流氷が確認されており、山東省泰安市から河口までおよそ400キロにわたって広がりました。なかでも東営市付近では氷の密度が最も高く、渡り鳥が羽を休めるには格好の場所となっています。
寒さが少しずつ和らぎ、気温が上昇して氷が解け始めると、白い氷と水面の境目に独特の模様が現れます。そこに鳥たちの群れが重なることで、まるで一枚の絵画のような景色が生まれます。
黄河デルタ国家級自然保護区という「鳥たちの楽園」
東営市には、黄河デルタ国家級自然保護区があります。黄河が運んできた土砂によってつくられた広大な湿地帯で、国際的にも重要な渡り鳥の生息地として知られています。
この地域が渡り鳥にとって魅力的な理由として、次のような点が挙げられます。
- 河口と海が接するため、淡水と海水が混ざり合う多様な環境がある
- 干潟や塩性湿地が広く、カニや小魚など餌となる生き物が豊富にいる
- 保護区として人の立ち入りが制限され、鳥が落ち着いて休める空間が確保されている
こうした条件が重なり、黄河デルタは長距離を飛ぶ渡り鳥にとって「燃料補給」のような役割を果たしています。
一瞬で消える風景が映す、気候と生態系の関係
流氷と渡り鳥が織りなす風景は、わずかな期間しか見ることができません。川の氷が厚すぎれば鳥は降り立ちにくく、逆に早く解けてしまえば流氷そのものが消えてしまうからです。
地球温暖化の影響が指摘されるなか、川の凍り方や解けるタイミング、渡り鳥の移動ルートや時期にも少しずつ変化が出ているといわれます。一方で、今回のような光景は、川と海、氷と鳥という自然のリズムがまだ確かに息づいていることも教えてくれます。
画面越しの絶景を、自分の生活と結びつけてみる
黄河のニュース映像や写真は、遠い場所の出来事のように感じられるかもしれません。しかし、渡り鳥は国境を軽々と越えて移動し、その途中で立ち寄る湿地や河口は、互いにつながった一つの生態系の一部です。
私たちが暮らす地域の川や海、干潟や湿地をどう守っていくかは、黄河デルタのような場所で見られる風景とも間接的に関わっています。スマートフォン越しに眺める冬の絶景をきっかけに、水辺の環境や生物多様性について少し立ち止まって考えてみるのも良さそうです。
Reference(s):
cgtn.com








