中国、南シナ海での豪軍機「領空侵入」に抗議 緊張高まる安全保障
2025年も終わりに近づく中、南シナ海をめぐる軍事的な緊張が改めて浮き彫りになっています。中国は、オーストラリア軍機が自国の領空に意図的に侵入したとして強く警告しました。
中国がオーストラリアに抗議
中国外交部のグオ・ジャークン報道官は木曜日の記者会見で、オーストラリア軍の航空機が中国の西沙諸島(Xisha Islands)上空の空域に意図的に侵入したと述べ、中国側がオーストラリアに対して厳正な申し入れを行ったことを明らかにしました。
グオ報道官は、この行動が中国の主権を侵害し、中国の国家安全を損なうものであると強調しました。そのうえで、中国側がとった追い払うための対応について、正当で合法的、専門的であり、かつ抑制的なものだったと説明しています。
中国はオーストラリアに対し、こうした侵害や挑発行為を直ちにやめ、南シナ海の平和と安定を損なうことをやめるよう求めています。
争点は「領空」と南シナ海の安全保障
今回の中国の発表の中心にあるのは、領空と主権、そして南シナ海の安全保障です。中国側は、西沙諸島周辺の空域を自国の領空と位置づけ、その上空を飛行したオーストラリア軍機の行動を容認できないとしています。
グオ報道官のコメントからは、次のような問題意識が読み取れます。
- 外国軍機による飛行が、中国の主権と安全保障を脅かす行為だという認識
- 中国側の対応は国際法に照らしても正当で、必要最小限だったという主張
- 南シナ海の安定を守るため、他国に対して軍事的な挑発を控えるよう求めていること
南シナ海は、東アジアと中東・欧州を結ぶ海上交通の要衝であり、多くの国にとってエネルギーや貿易の生命線となっています。その上空で起きる軍事的なにらみ合いは、地域全体の安全保障に直結する問題です。
南シナ海の緊張とリスク管理
南シナ海周辺では、各国の軍用機や艦艇が監視活動や訓練を行うことが多く、接近する事案が発生しやすい環境にあります。今回、中国がオーストラリア軍機の行動を名指しで批判し、厳正な申し入れを行ったことは、こうした緊張感が高い状況を改めて示すものと言えます。
軍用機同士の接近や警告行動は、双方が正当な任務と主張する中で起こることが少なくありません。しかし、わずかな判断ミスや誤解が、重大な事故や衝突につながるリスクも常に存在します。だからこそ、当事国同士の意思疎通や、危険な接近を避けるためのルール作りが重要になっています。
日本の読者が押さえておきたいポイント
日本は南シナ海に直接面してはいませんが、この海域の安定は、日本のエネルギー供給や貿易にとっても欠かせません。今回の中国とオーストラリアのやりとりから、次のようなポイントを考えることができます。
- 南シナ海の安全保障は、アジア太平洋全体の課題であり、日本経済とも密接に関わっていること
- 軍事的なプレゼンス(存在感)の示し方が、外交関係や地域の信頼感に大きく影響すること
- 緊張が高まる局面ほど、対話やリスク管理の仕組みづくりが重要になること
今回の中国の発表は、中国が自国の主権と安全保障に関わる問題に対して強い警戒感を持ち、南シナ海の動向を注視していることを示しています。日本にとっても、地域の安全保障環境を理解し、自国の立ち位置を考えるうえで、見過ごせない動きと言えるでしょう。
Reference(s):
China warns Australia over deliberate intrusion into its airspace
cgtn.com







