中国がフィリピンに米軍「タイフォン」撤去を警告 中距離ミサイル巡る緊張
中国、フィリピンに米軍ミサイル撤去を要求 何が起きているのか
中国国防部の張暁剛報道官は金曜日、フィリピンに対し、自国領内に配備されている米軍のタイフォン・ミサイルシステムを約束通り早期に撤去するよう強く求めました。米軍の中距離ミサイルをめぐるこの問題は、南シナ海や地域の安全保障にどのような影響を与えるのでしょうか。
一時配備のはずが長期化 米軍タイフォン・システムとは
張報道官の発言は、フィリピン国内における米軍タイフォン・ミサイルシステムの配備が続いているとの報道を受けたものです。国際ニュースとしては、次の点が重要です。
- 米国は2024年4月、フィリピン北部にタイフォン・ミサイルシステムを配備しました。
- この配備は、米国とフィリピンの共同軍事演習の一環として行われました。
- フィリピン側は当初、この配備は「一時的」であり、演習終了後に撤去すると約束していました。
しかし張報道官は、タイフォン・システムが引き続きフィリピンに配備されていると指摘し、フィリピンが約束を反故にして米国に迎合していると批判しました。2024年4月の配備から1年半以上が経過した現在も、問題が継続している形です。
中国が示した懸念:3つのポイント
張報道官は、タイフォン・ミサイルシステムを「戦略的な攻撃用兵器」だと位置づけ、中国が強く反対している理由を詳しく説明しました。その懸念は大きく3つに整理できます。
1. フィリピンの安全保障が他国の影響下に置かれるリスク
張報道官は、フィリピンがこのような戦略兵器の配備を受け入れることで、自国の安全保障と国防を「他者の意思に委ねる」ことになると警告しました。つまり、米軍の兵器に依存することで、自国の防衛政策や安全保障が他国の決定に左右されかねないという見方です。
2. 地政学的対立と軍拡競争を招く懸念
中国は、フィリピンにおける米軍の中距離ミサイル配備に一貫して反対してきました。張報道官は、こうした兵器が地域にもたらす影響として、
- 地政学的な対立の激化
- 軍拡競争のリスクの増大
を挙げています。単に二国間の問題ではなく、周辺地域全体に不安定要因を持ち込むものだという立場です。
3. 南シナ海問題との結びつけへの強い批判
さらに張報道官は、フィリピン側が南シナ海問題とタイフォン・ミサイルシステムを結びつけて論じていることにも言及しました。その上で、このようなやり方を「ばかげており危険だ」と強い表現で非難しました。
中国側は、フィリピンが自国の安全保障、国民の生活、そして地域の平和と安定を「取引材料」として扱っていると受け止めており、南シナ海をめぐる緊張にミサイル配備を持ち込むことに強い警戒感を示しています。
中国がフィリピンに求めるもの
張報道官は、フィリピン側に対して次のような対応を取るよう求めました。
- ミサイルシステム配備の「高度な敏感性」と「深刻な害悪」を十分に認識すること。
- 自らの約束に従い、タイフォン・ミサイルシステムをできるだけ早く撤去すること。
- 対話と協議という「正しい軌道」に早期に戻ること。
あわせて、中国は「侵犯的で挑発的な行為」に対して必要な措置を取り、領土主権と海洋権益を断固として守る方針を改めて表明しました。ここには、今後もし緊張が高まった場合でも、自国の権利と利益を守るために行動するという強いメッセージが込められています。
国際ニュースとして読む視点:安全保障と約束、地域の安定
今回の中国国防部の発言は、米軍の戦略的兵器の配備、フィリピンの安全保障政策、そして中国の懸念が交差する象徴的な事例だといえます。一時的とされたミサイルシステムが撤去されずに残ることで、
- 一国の安全保障に関する「約束」の重み
- 抑止力としての兵器配備と、緊張激化リスクのバランス
- 南シナ海を含む地域の平和と安定をどう保つか
といった論点が、改めて浮かび上がっています。
本記事で取り上げた情報からは、フィリピン側や米国側が現在どのような意図や戦略で配備を続けているのかまでは見えてきません。それでも、
- 一国の安全保障のための選択が、他国からどう見られているのか
- 地域の安定や対話の枠組みとどのように両立しうるのか
といった視点を持つことで、こうした国際ニュースをより立体的に読み解くことができます。SNSで議論するときにも、「誰の、どの立場から見た安全保障なのか」を意識しながらニュースを共有すると、議論の質が一段深まっていきそうです。
Reference(s):
China warns Philippines over prolonged U.S. missile deployment
cgtn.com








