中国とイギリスが関係強化へ 王毅外相とスターマー首相が「安定」協力を確認
世界の不安定さが増すなか、中国とイギリスが関係強化に動いています。ロンドンを訪れた中国の王毅国務委員兼外相は、キア・スターマー英首相と会談し、両国の協力を通じて世界により多くの「安定」と「確実性」をもたらしたいと強調しました。
世界の安定へ向けた英中の役割
王毅氏は中国共産党の中央委員会政治局委員も務めています。会談で王毅氏は、世界が急速な変化のただ中にあり、歴史的な転換がこれまでになく加速していると指摘しました。
そのうえで、中国とイギリスはいずれも国連安全保障理事会の常任理事国であり、戦略的な意思疎通と相互理解を強め、「大国」としての責任を示すことが重要だと呼びかけました。
- 世界の「乱流」を抑えるための安定要因になること
- 安全保障や経済だけでなく、人類共通の課題にも協力して取り組むこと
- 対立ではなく対話を積み重ねることで、予見可能性を高めること
ロンドンでの会談のポイント
王毅外相:戦略対話と実務協力の拡大を提案
王毅氏は、気候変動、人工知能(AI)、グリーン開発(環境に配慮した成長)といった、人類の未来に直結する分野での協力を強く提案しました。こうした分野で英中が連携することが、世界全体の安定にもつながると位置づけています。
また、最近の中英関係には前向きな流れが生まれているとして、インフラ、貿易・投資、クリーンエネルギーなど、実務的な協力の余地は大きいと強調しました。イギリスの労働党政権が、中国に対して理性的で実務的な姿勢をとっており、自国の利益とも国際的な潮流とも整合的だと評価しました。
さらに王毅氏は、両国首脳の間でこれまでに得られた重要な共通認識を着実に実行に移し、二国間関係の安定と前向きな発展を図る考えを示しました。
スターマー首相:安定的で建設的な関係を重視
スターマー首相の側も、中国との関係を安定的で建設的なものとして維持していく方針を示しました。気候変動から経済協力、安全保障まで、幅広い分野で実務的な協力を進めていきたいと強調しています。
注目の協力分野:気候変動・AI・グリーン開発
今回の会談では、とくに次のような分野が「未来志向の協力」として挙げられました。
- 気候変動:脱炭素や再生可能エネルギーなど、地球温暖化対策での連携
- 人工知能:AI技術の開発とルールづくりでの対話と協力
- グリーン開発:環境に配慮した経済成長モデルの共有
- インフラ・貿易・投資:双方向のビジネスやプロジェクトを通じた経済的な結びつきの強化
- クリーンエネルギー:再生可能エネルギーなど新しいエネルギー分野での協力
王毅氏は、こうした分野での協力拡大が両国の人々の利益になると同時に、世界の安定にも貢献しうると位置づけています。
安全保障対話と「戦略対話」の継続
王毅氏の訪英中には、首相との会談以外にも重要な対話が行われました。
- 首相の国家安全保障顧問を務めるジョナサン・パウエル氏と会談し、戦略的な安全保障や共通の関心事項について協議
- デービッド・ラミー英外相とともに、第10回となる「中英戦略対話」を開催
両国は、この戦略対話を通じて継続的な意思疎通の重要性をあらためて確認しました。単発の会談ではなく、定期的な対話の枠組みを持つことで、意見の違いをコントロールしつつ協力の余地を広げていく狙いがうかがえます。
読者が押さえておきたい3つのポイント
今回の動きをニュースとして追ううえで、押さえておきたい視点は次の3つです。
- 大国同士の対話が持つ重み:中国とイギリスはいずれも安保理常任理事国であり、その関係は安全保障や国際秩序に影響しやすいという点
- 対立だけではない関係づくり:気候変動やAIなど、対立よりも協力が求められる分野で関係を築けるかどうか
- 継続的な対話の価値:戦略対話や安全保障協議のように、「話し続ける」仕組みを維持できるかどうか
世界情勢が不透明さを増すなかで、中国とイギリスがどこまで実務的な協力を深め、どのように「安定」と「確実性」を生み出していくのか。今後の会談や共同プロジェクトの行方を、引き続き注視していく必要があります。
Reference(s):
cgtn.com








