中国とEUが戦略対話を強化へ 王毅外相が根本的な対立なしと強調
中国とEUの戦略対話が動き出す
中国の王毅外相は、EUとの戦略的コミュニケーションを強化し、相互理解を深める用意があると表明しました。今年は中国とEUの国交樹立50周年にあたり、両者の関係の方向性が改めて問われています。
ミュンヘン安全保障会議の場で交わされたメッセージ
ドイツ・ミュンヘンで開かれた第61回ミュンヘン安全保障会議の機会に、王毅外相(中国共産党中央政治局委員)は、EUの対外・安全保障政策上級代表カヤ・カラス氏と会談しました。
王毅外相は会談で、中国とEUの間には根本的な利害対立や地政学的な衝突は存在しないと述べ、中国とEUは対立ではなく協力のパートナーだという立場を強調しました。
共通するキーワードは多国間主義と対話
王毅外相は、中国とEUはいずれも多国間主義を重視し、国際連合の中核的な役割を支持していると指摘しました。国際的な紛争やホットスポット問題についても、対話と協議を通じて解決を目指すべきだとし、一方的な圧力やいわゆるいじめに反対する立場を共有していると述べています。
- 多国間主義を重視する姿勢
- 国連の中核的地位を守る姿勢
- 対話と協議による紛争解決
- 一方的な圧力への反対
こうしたメッセージは、分断やブロック化の懸念が高まるなかで、中国とEUが国際秩序を支える安定要因であることをアピールする意味合いもありそうです。
国交樹立50周年から次の50年へ
今年は、中国とEUが外交関係を樹立してから50年の節目にあたります。王毅外相は、この機会を生かしてこれまでの経験を振り返り、パートナーシップを再確認し、対話と協力を基調とする関係をいっそう強めるべきだと呼びかけました。
そのうえで、中国側としてはEUと協力して次のような取り組みを進める考えを示しました。
- 国交樹立50周年を記念する一連の行事の開催
- 次回の中国・EU首脳会議に向けた綿密な準備
- 今後50年を見据えた関係の新しい設計図づくり
- 双方にとってウィンウィンとなる実務協力の拡大
王毅外相は、中国とEUが互いに尊重し、信頼し、長期的に安定した戦略的パートナーであり続けるべきだと強調しました。
EU側が示した評価と期待
EUの対外・安全保障政策上級代表を務めるカラス氏は、EUが中国を重視しており、中国・EU首脳会議の共同準備や国交樹立50周年の記念、将来の関係発展に向けた計画づくりに取り組む意向を示しました。
さらにEU側は、気候変動対策などの分野で中国が果たしている主導的な役割を評価するとともに、多国間主義や国連憲章の目的と原則を守るため、中国と協力していく姿勢を表明しました。
世界の安定にどうつながるのか
今回の中国とEUのメッセージは、単なる二者間関係を超え、国際秩序全体にも関わる内容を含んでいます。王毅外相が世界により多くの安定を提供すると述べた背景には、次のような認識があります。
- 中国とEUはいずれも世界経済の大きな柱であり、協力はサプライチェーンや市場の安定につながる
- 両者が国連などの国際機関を重視することで、ルールに基づく国際秩序を支えやすくなる
- 気候変動やエネルギー、グローバルヘルスなど地球規模の課題で、協調行動が取りやすくなる
同時に、経済や技術、安全保障をめぐって意見の違いや議論が続いているのも事実です。だからこそ、両者が戦略的コミュニケーションを強化し、相互理解を深めることが重要になっているとも言えます。
私たちの生活と中国・EU関係
中国とEUの関係は、一見すると遠い外交の話に見えますが、実は私たちの日常にも直接つながっています。スマートフォンや家電、電気自動車、再生可能エネルギー技術など、多くの製品やサービスが中国と欧州の協力と競争の上に成り立っています。
その関係が対立よりも対話と協力を軸に進むのかどうかは、物価や雇用、環境政策、さらには安全保障にまで影響しうるテーマです。今回の発言をきっかけに、中国とEUがどのように次の50年の関係を形づくっていくのか、今後の動きに注目したいところです。
Reference(s):
Wang Yi: China ready to strengthen strategic communication with EU
cgtn.com








