アジア冬季競技大会で中国が史上最多メダル 代表団トップが語る次の一歩 video poster
今年、中国東北部・黒竜江省ハルビンで開かれた第9回アジア冬季競技大会が閉幕しました。中国代表団のトップを務めた中国オリンピック委員会副主席の周進強氏は、史上最多のメダルを獲得した自国選手を高く評価しつつ、来年のミラノ・コルティナ冬季オリンピックに向けた課題も冷静に指摘しました。
170人の最大規模代表団が全64種目に出場
周氏によると、中国は今回、過去最大となる170人の選手団を送り、6競技11種別、全64種目にエントリーしました。結果は、金メダル32個、銀27個、銅26個の合計85個。開催国として金メダル数、総メダル数ともに大会トップに立ち、いずれも大会史上最多記録となりました。
周氏は「32個の金メダルは、これまで単一大会での最多記録と並び、総メダル数85個はこれまでの最高だった70個を大きく上回った」と述べ、中国の冬季スポーツの底上げが進んでいると強調しました。
雪上が氷上を上回る 競技力のバランスが変化
周氏が特に注目したのは、競技間のバランスの変化です。今回の32個の金メダルは、4つの主要競技、7つの種別に分散。内訳は、氷上競技で13個、雪上競技で19個となり、雪上競技の金メダル数が初めて氷上競技を上回りました。
スピードスケート、フリースタイルスキー、スキーマウンテニアリングなどがアジアで強い種目として頭角を現しており、周氏は「北京冬季オリンピック招致の成功以来、中国の冬季スポーツが総合的に発展してきた結果だ」と分析しています。
10代・20代前半の新星が次世代をけん引
今大会では、若い世代の台頭も目立ちました。周氏は、金メダルを獲得した若手選手の名前を挙げながら、その成長ぶりを評価しました。
- 女子スノーボード・スロープスタイルで優勝したZhang Xiaonan選手(18歳)
- 女子スノーボード・ビッグエアで金メダルのXiong Shirei選手(17歳)
- 男子フリースタイルスキー・エアリアルで頂点に立ったLi Xinpeng選手(20歳)
- 女子フリースキー・スロープスタイルとビッグエアで二冠を達成したLiu Mengting選手(20歳)
周氏は、彼らについて「大舞台で勇気と粘り強さを示し、自信を深めるとともに、それぞれの種目の発展にしっかりとした土台を築いた」と述べています。10代から20代前半の選手が中心となって結果を残したことで、中国の冬季競技の世代交代が順調に進んでいることを印象づけました。
それでも「世界基準にはまだギャップ」
一方で、周氏は浮かれすぎない姿勢も強調しました。アジアでは圧倒的な成績を収めたものの、「冬季スポーツ全体では、依然として世界レベルとの差がある」と指摘。特に、トレーニング体制や指導者の育成、ジュニアからトップまでをつなぐ育成システムなどで課題が残っていると認めています。
現時点で中国が優位性を持つのは、ショートトラックスピードスケート、フリースタイルスキー、スノーボードといった一部の種目に限られます。フィギュアスケートなどでは、選手層の厚さや国際大会での競争力に課題があり、アジアの強さをそのまま世界の舞台に持ち込める状況ではないという見方です。
来年に迫るミラノ・コルティナ冬季オリンピックに向けて、周氏は「今回の成果に満足するのではなく、見えてきた弱点を埋めていかなければならない」と語り、中国代表が世界の強豪と渡り合うための一層の取り組みの必要性を訴えました。
今回のアジア冬季大会が示すもの
今回の中国代表の結果からは、いくつかのポイントが見えてきます。
- アジアの舞台では、中国の冬季スポーツの総合力が一段と高まっている。
- 雪上競技の躍進と若手の台頭により、競技力の重心が変わりつつある。
- 一方で、世界トップレベルとの間には、育成システムや種目間のバランスなど、解決すべき課題が残されている。
ハルビンでの成功は、中国にとってゴールではなく通過点にすぎません。来年のミラノ・コルティナ冬季オリンピックに向けて、中国がどのように競技力を磨き、どの種目で世界の頂点に挑むのか。アジアの冬季スポーツの動向を知るうえでも、今後の歩みに注目していく価値がありそうです。
Reference(s):
China's delegation chief praises athletes at Asian Winter Games
cgtn.com







