IOC会長選に名乗り ヨルダンのフェイサル王子が語る気候危機とeスポーツ video poster
IOC会長選に名乗りを上げているヨルダン・オリンピック委員会会長のフェイサル・ビン・アル・フセイン王子が、中国東北部ハルビンで開かれているアジア冬季競技大会の会場で、冬季五輪と気候危機、eスポーツの可能性について語りました。国際ニュースとしても、デジタル世代のスポーツ観を大きく揺さぶる内容です。
ハルビンの会場で語った「アジアの冬」
フェイサル王子は、中国の英語スポーツ番組CGTN Sports Sceneの「Talk Sports」シリーズ最新回で、司会のグレッグ・ラフラディ氏と対談しました。会場は、中国東北部・黒竜江省ハルビンで行われているアジア冬季競技大会です。
ヨルダンは今大会にアルペンスキー男子回転に出場するシャリフ・ザワイデ選手を派遣しており、王子はその後押しのためにハルビンを訪れました。同時に、アジア・オリンピック評議会(OCA)のスポーツムーブメントの一員として大会を支える役割も担っています。
- ヨルダン代表:アルペンスキー男子回転のシャリフ・ザワイデ選手
- 目的:選手の応援とOCAのスポーツムーブメントへの貢献
中国のスポーツ熱と「3億人の冬スポーツ人口」
これまでにも国際的なスポーツイベントのために何度も中国を訪れてきたというフェイサル王子は、中国のスポーツへの情熱と、冬季スポーツ人口を3億人以上に広げた取り組みに強い印象を受けていると話しました。中国での冬季スポーツの広がりは、アジア全体の競技レベルや市場に長期的な影響を与えそうです。
IOC会長選の争点:気候変動と開催地
フェイサル王子は現在、国際オリンピック委員会(IOC)会長選に立候補している7人の候補の一人でもあります。これからのオリンピックの姿を左右するこの選挙で、気候変動への向き合い方を重要な争点に位置づけています。
現職のトーマス・バッハ会長は2023年、気候変動の影響により2040年には冬季オリンピックを開催できる国が10前後に限られる可能性があるとの見方を示していました。フェイサル王子は、この問題意識を自身のマニフェストの中心に据えています。
「脅威」ではなくすでに現実としての気候変動
王子は、気候変動は将来の脅威ではなく、すでにスポーツ界にとっての現実になっていると指摘します。そのうえで、より多くの国と地域が冬季五輪を開催できるようにするため、オリンピックの開催時期を柔軟にずらし、日程を拡大するべきだと訴えました。
こうした発想は、長年続いてきた大会カレンダーのあり方を見直す提案といえます。
- 開催地の候補を増やし、地域の多様性を高める狙い
- 気候条件に合わせて競技環境を確保しやすくする狙い
eスポーツで新しい観客を
フェイサル王子は自身もビデオゲームを楽しむと明かし、オリンピックにeスポーツを取り込むことは、新しい世代の関心を引きつける強力な手段になり得ると見ています。
eスポーツが将来、オリンピックの正式なメダル種目になるかどうかは、まだ予測するには早いとしつつも、その可能性を今の段階で否定すべきではないとの立場です。
競技としてのゲーム文化に親しんできたデジタルネイティブ世代にとって、オリンピックがどこまで自分たちの感覚に近づいてくるのか。その一つの試金石となるテーマと言えるでしょう。
これからのオリンピックをどう見るか
フェイサル王子の発言は、オリンピックをめぐるいくつかの重要な問いを私たちに投げかけています。
- 気候変動時代にふさわしい大会のかたちとは何か
- eスポーツと伝統的スポーツはどのように共存し得るのか
- アジア、とくに中国で広がる冬季スポーツの波をどう活かすのか
IOC会長選の行方次第で、これらの問いへの答えも変わっていく可能性があります。フェイサル王子の提案は、その議論の方向性を占う一つの手がかりとして、今後も注目を集めそうです。
Reference(s):
Jordanian Olympic chief Prince Feisal on running for IOC presidency
cgtn.com








