フランス人青年、第二次大戦期の中国写真622枚を無償提供へ
第二次世界大戦中の中国各地を写したとされる622枚の白黒写真を携えたフランス人青年が、中国の機関への無償寄贈を申し出ました。戦争の記憶と国際協力のあり方を考えさせるニュースです。
フランス人青年が持ち込んだ「622枚の記憶」
フランス出身の若者マルクス・デトレ氏は最近、中国に到着しました。彼が携えていたのは、祖父ロジェ=ピエール・ロラン氏が第二次世界大戦中に中国で撮影したとされる、希少な歴史写真622枚です。
デトレ氏は、これらの写真を対価を求めずに中国の関連機関へ寄贈する意向を示しています。個人が家族の遺した資料を、国境を越えて公共の場に託そうとしている点が注目されています。
日本の侵略を写した可能性のある場面
デトレ氏によると、写真の一部は1937年の日本による上海侵略の際に撮影されたものだとされます。そこには、日本兵によるとされる路上での市民への無差別な殺害や、寺院や記念碑などの文化的建造物が破壊されていく様子が写っているといいます。
これらの写真が事実をそのまま写し取ったものであれば、日本の侵略と当時の中国社会に与えた被害を具体的に伝える、貴重な視覚資料となる可能性があります。一方で、2025年12月時点で、その歴史的価値や真正性については、まだ専門家による本格的な鑑定や評価を受けていません。
専門鑑定と公開の行方
写真の内容や撮影場所、撮影時期が専門家によって検証されれば、第二次世界大戦期の中国を研究する上で、新たな史料が加わることになります。軍事史だけでなく、都市の景観や市民の日常生活、宗教施設や文化財の変化など、多角的な分析が期待されます。
同時に、戦争をめぐる歴史資料は、国内外で感情的な議論を呼びやすい側面もあります。写真の取り扱いや公開方法、説明文の付け方などについては、冷静な検証と丁寧な情報発信が求められます。
国境を越える「記憶のバトン」
今回の出来事は、一人のフランス人青年が、家族の遺した写真を中国社会と共有しようとする試みとしても受け止められます。過去の戦争に直接関わっていない世代が、どのように歴史を受け継ぎ、別の国や地域と分かち合うのかという問いを投げかけています。
戦争体験の語り手が少なくなる中で、写真や日記、手紙といった一次資料の役割はますます大きくなっています。今回持ち込まれた622枚の写真も、専門家の検証と適切な保存・公開を経てはじめて、その意味が立ち上がってきます。
私たちが考えたいポイント
通勤電車の中やスキマ時間にニュースを眺める私たちにとっても、このニュースは遠い過去の話ではありません。戦争の記憶が国境を越えて動くとき、どのように向き合うべきかを考えるきっかけになります。
- 個人が保管してきた資料を、公的機関に託す意味
- 写真や映像を「証拠」として扱う際に必要な専門的検証
- 日中両国を含む国際社会が、過去の戦争の記憶をどのように共有していくか
622枚の写真の本格的な検証と公開が進めば、第二次世界大戦期の中国をめぐる理解が一段と深まる可能性があります。今後の中国側の対応や専門家の調査結果が、国際ニュースとして注目されそうです。
Reference(s):
Frenchman brings hundreds of rare historical photos to China
cgtn.com








