映画哪吒2ヒットで再注目 遼代石棺に刻まれた哪吒伝説が公開
公開中の映画「哪吒2(Ne Zha 2)」が世界各地で興行記録を塗り替えるなか、その主人公である哪吒(ネザ)の最古級とされる石造図像が、遼寧省の博物館で一般公開され、注目を集めています。
遼代の石棺に刻まれた「哪吒鬧海」
遼寧省瀋陽市の遼寧省博物館では、遼代(907〜1125年)に作られた石棺が展示されています。この石棺には、哪吒が海の怪物と戦う伝説「哪吒鬧海(Ne Zha Conquers the Sea)」の場面が刻まれており、現存する中で最も早い視覚表現とされています。
石棺は、遼寧省朝陽市の北塔古墳から出土したものです。専門家の分析によると、遼代後期の遺物であり、およそ千年前に朝陽市内の塔に安置されていたとみられています。現在は瀋陽の博物館で公開され、多くの来館者が足を止めてじっくりと見入っています。
伝説の英雄・哪吒とは
哪吒は、中国の民間伝承に登場する守護的な存在です。さまざまな困難に直面しながらも、自らの力で道を切り開く姿から、中国文化のなかで「強さ」や「逆境に負けない心」の象徴として語られてきました。
石棺に刻まれた「哪吒鬧海」の場面は、海を舞台にどのように戦い、乗り越えていくのかという物語の核心部分を伝えるものです。約千年前の人々が、どのような哪吒像を思い描いていたのかを知ることができる、貴重な手がかりとなっています。
映画「哪吒2」と古代美術が交差する瞬間
世界的なヒットとなっている映画「哪吒2(Ne Zha 2)」は、現代的な映像表現を通じて、哪吒の物語を新たに描き出しています。一方で、遼代の石棺は、同じ物語が千年近く前から人々に親しまれてきたことを静かに物語っています。
瀋陽の展示室では、スクリーンの中でダイナミックに活躍する哪吒の姿と、石に刻まれた古代の哪吒像が、時間を超えて重なり合います。来館者にとっては、昔から続く物語が今も世界の観客を魅了していることを実感する場ともなっています。
なぜ今、この展示が重要なのか
今回の石棺展示は、次のような点で注目されています。
- 映画「哪吒2」の世界的な成功と連動し、中国神話への関心が高まる中で公開されたこと
- 哪吒の物語の中でも象徴的な「哪吒鬧海」が、約千年前の石刻として確認できること
- 一つの伝説が、古代美術から現代映画まで連綿と受け継がれていることを示している点
国や世代を超えて共有される物語は、多くの場合、長い時間をかけて形を変えながら受け継がれてきました。今回の遼寧省博物館での展示は、そのプロセスを具体的に感じ取ることができる機会だと言えます。
遠くからでも考えたい、文化財と物語の力
現地を訪れるのが難しい人にとっても、このニュースは、遼寧省で公開されている哪吒像と、世界の映画館で上映されている「哪吒2」が、同じ物語から生まれているという事実をあらためて考えるきっかけになります。
千年前の石棺と現代の映画。その間に広がる時間のギャップは大きいようでいて、人々が物語に込めてきた願いや感情には、どこか共通するものがあります。国際ニュースとしての視点からも、文化財が伝える物語の力をどう受け取り、次の世代へつないでいくのかが、これからますます問われていきそうです。
Reference(s):
cgtn.com








