コミュニティケアセンターが変える高齢者介護 家族を一人で抱えない選択 video poster
地域のコミュニティケアセンターがもたらした変化
退職後、自宅で89歳の義母の介護に専念してきた63歳のマ・シュージエさん。義母はアルツハイマー病を患っており、身体的にも精神的にも負担の大きい介護が続いていました。やがてマさんのストレスはこれまでにないほど高まり、限界を感じるようになったといいます。
そこでマさんが選んだのが、自宅のすぐそばにあるコミュニティケアセンター兼介護施設に義母を預けるという決断でした。義母がより専門的なケアを受けられるようになっただけでなく、マさん自身も、ようやく自分の退職後の生活を楽しめる時間を取り戻しつつあります。
24時間体制の介護を家族だけで抱える難しさ
アルツハイマー病などの認知症は、もの忘れだけでなく、時間や場所の感覚が薄れたり、判断力が落ちたりすることで、日常生活全体に影響が出る病気です。転倒の防止や服薬の管理、夜間の見守りなど、付き添う家族には休む間もない状況が続きがちです。
マさんも退職後の時間のほとんどを介護にあてる生活を送りましたが、長く続く緊張と疲労は、心身の健康をむしばんでいきました。家族の介護を「愛情」だけで支え続けることには、どうしても限界があります。
歩いて通えるコミュニティケアセンターという選択肢
そうしたなかで見つけたのが、家の角を曲がればすぐの場所にあるコミュニティケアセンターでした。義母はその施設に入所し、マさんは必要なときにすぐ会いに行ける距離から見守る形に変わりました。
このケースから、コミュニティケアセンターの特徴として次のような点が見えてきます。
- 専門スタッフによる食事・入浴・排せつなどの介護サポート
- 認知症の症状に配慮した環境づくりや見守り
- 家族が通いやすい距離にあることで、関係を保ちやすい
- 家族が自分の時間や健康を取り戻す余地が生まれる
自宅と施設が近いことで、「一緒に暮らす」か「完全に任せる」かという二者択一ではなく、専門職と家族が地域で支え合うという、新しいかたちの介護が可能になります。
罪悪感ではなくパートナーシップの発想へ
家族を施設に預ける決断には、どこか後ろめたさや罪悪感を抱いてしまう人も少なくありません。しかし、マさんのように、介護する側の生活と健康を守ることは、結果として介護される側の安心にもつながります。
コミュニティケアセンターや介護施設を家族に代わる存在と見るのではなく、家族と一緒に支えるパートナーと考える視点が大切です。プロの力を借りることで、家族はより穏やかな気持ちで向き合えるようになり、限られた時間の質も高まります。
家族介護に向き合う人への3つのヒント
マさんの事例から、いま家族の介護に直面している人が参考にできるポイントを整理してみます。
- 一人で抱え込まない
家族や友人に状況を共有し、手伝ってほしいと言うことは甘えではありません。まずは身近な人に話すところから始めてみることが大切です。 - 地域のサービスを探してみる
自宅近くにコミュニティケアセンターや介護施設があるかどうかを調べてみましょう。行政の相談窓口や地域の情報から、利用できる支援につながる場合があります。 - 自分の時間と健康を守る
介護を続けるには、介護する人自身の休息が欠かせません。短時間でも自分の好きなことをする時間をつくることが、長期的には介護を続ける力になります。
ケアし合える地域社会を考える
高齢化が進むなか、家族だけががんばる介護から、地域のコミュニティケアセンターやさまざまな支援とつながる介護へと発想を転換することが求められています。マさんと義母のように、身近な施設を活用することで、介護する人とされる人の両方が、少しずつ笑顔を取り戻せる可能性があります。
私たち一人ひとりが、もし自分や身近な人が介護を必要としたら、どんな支え方が望ましいだろうかと考えてみることが、これからのケアし合える地域社会をつくる第一歩になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








