蘇炳添が現役ラスト60mで優勝 6秒65で有終の美
蘇炳添、現役ラスト60メートルで優勝
男子100メートルのアジア記録保持者として知られる中国のスプリンター、蘇炳添が、中国国内の室内陸上選手権(Chinese National Indoor Athletics Championships)第3戦の男子60メートルで、6秒65をマークして優勝しました。今大会でのこのレースが、彼のキャリアにおける最後の60メートルとなりました。アジアの陸上界をめぐる国際ニュースとしても注目を集めています。
150人超が出場した60メートルを制す
会場は中国東部・山東省の済南市。男子60メートルには150人を超える選手が出場し、19組に分かれてレースが行われました。蘇は最終組に登場し、同じ広東出身の陳広峰、呉浩霖、そして江蘇から出場した石雨豪、隋高飛らと走りました。
35歳の蘇はスタートで全体2番目の反応ながら、中盤で一気に加速して他の選手をすべてかわし、6秒65でフィニッシュ。今大会全体で2番目に速い記録となり、アジア歴代でも10位タイに相当するパフォーマンスとされています。
「20年」の室内シーズンに一区切り
レース後、蘇は自身のソーシャルメディアに「トラックに戻ってこられて特別な気持ちです。20年前の初めての室内レースからのすべてが思い出になりました。キャリア最後の60メートルを6秒65で走り終えました」と投稿しました。
さらに、競技会の運営側や、自身を支えてきた友人や関係者への感謝の言葉をつづり、「これからは回復に集中し、地元で行われる最後の全国運動会に向けて準備を続けます」としています。短距離選手としてのピークを過ぎても、高いレベルで走りきろうとする姿勢がうかがえます。
第15回中国全国運動会後に引退へ
蘇が次の大きなターゲットと位置づけるのが、第15回 National Games of China(中国全国運動会)です。この大会は、中国南部の広東省、香港特別行政区、マカオ特別行政区で、11月9日から21日まで開催されました。
蘇は2024年12月の段階で、この全国運動会を最後に現役を退く意向を明らかにしており、今回の60メートルもそのロードマップの一部と言えます。地元・広東での大会に全力を注ぎ、アスリート人生を締めくくる構えです。
アジア短距離のスターが示す「引き際」
日本を含むアジアの陸上ファンにとって、蘇炳添は男子短距離のレベルを一段押し上げた存在です。男子100メートルのアジア記録保持者である彼が、キャリア晩年まで室内60メートルで結果を残していることは、トレーニングやコンディショニングの在り方を考えるヒントにもなります。
一方で、自ら「ラストレース」の線を引き、次の大会とその先の引退を見据えながら走る姿からは、トップアスリートの「引き際」をどうデザインするかという問いも浮かび上がります。パフォーマンスだけでなく、自分の物語をどう締めくくるのか——そのプロセスもまた、多くの人が共感しやすい人生のテーマと言えるのではないでしょうか。
アジア最速クラスのスプリンターとして歴史に名を残した蘇炳添。60メートルという短い距離の最後の一歩まで、その走りは多くのファンの記憶に刻まれ続けそうです。
Reference(s):
cgtn.com








