中国外交部、米国務省サイトの「米中関係」記述を批判 事実歪曲と強く反発
2025年現在も揺れ動く米中関係をめぐり、中国外交部の郭嘉坤(グオ・ジアクン)報道官が、米国務省ウェブサイト上の米中関係に関する説明文の変更について「事実を歪め、中国の外交政策を攻撃している」と強く批判しました。本記事では、この発言のポイントと米中関係への含意を整理します。
何が起きたのか:米国務省サイトの記述変更
中国外交部によると、米国務省は自らのウェブサイトにある「U.S.-China Relations」ページと「U.S. Relations with China」と題したファクトシート(概要資料)の内容を変更しました。郭報道官は、これらの変更が事実をゆがめ、中国の外交政策を攻撃し、いわゆる「米中戦略的競争」という見方を広めるものだと指摘しました。
報道によれば、今回の変更は、米中関係のうち経済面により強く焦点を当てているとされています。具体的には、
- 米国側の対中貿易赤字
- 中国によるとされる「不公正な競争慣行」
- 米企業が中国で事業を展開する際の「懸念」
といった論点を前面に出した内容になっているとされます。中国側は、こうした記述が米国民や国際社会に誤った印象を与えると警戒感を示しました。
中国外交部の主張:一貫した対米政策と3つの原則
郭報道官は会見で、中国の対米政策は「一貫しており、明確だ」と強調しました。そのうえで、習近平国家主席が提唱してきた米中関係の3つの原則をあらためて示しました。
- 相互尊重:互いの主権や制度、核心的利益を尊重すること
- 平和共存:対立や衝突を避け、平和的な共存を図ること
- ウィンウィンの協力:双方に利益となる協力関係を追求すること
中国は、これらの原則に基づいて米中関係を捉え、発展させる姿勢は変わっていないとしています。同時に、郭報道官は「中国は主権、安全、そして発展上の利益を断固として守る」と述べ、防衛的な立場も鮮明にしました。
米国への呼びかけ:首脳間の共通認識を守るべきと主張
郭報道官は、両国首脳による最近の電話会談に言及し、そのなかで習近平国家主席と米大統領の間で得られた「重要な共通認識」を米側が着実に履行するよう求めました。
具体的には、
- 米国は自国民や国際社会を誤導するのをやめること
- 中国を中傷し、圧力をかける行為をやめること
を強く求めています。そのうえで、米国に対し、米中関係を客観的かつ理性的に見て扱い、両国関係の「安定的・健全・持続可能な発展」を共に推進すべきだと訴えました。
「競争」か「協力」か:フレーミングをめぐるせめぎ合い
今回のやり取りでは、米中双方がどのような枠組みで関係を描こうとしているのかが浮かび上がります。米国務省の文書は、米中関係を「戦略的競争」の文脈で説明する傾向を強めているとされ、中国側はこれを問題視しています。
一方で、中国は「相互尊重」「平和共存」「ウィンウィンの協力」といった言葉を前面に出し、対立よりも協力を強調するスタンスを示しています。郭報道官は、米中関係を不必要に対立的な構図で語ることが、双方の信頼を損ないかねないとの懸念をにじませました。
2025年の米中関係をどう読むか
2025年現在、米中は世界でも重要な経済大国同士であり、その関係は他の国や地域の経済・安全保障にも影響します。今回のように、公式文書やウェブサイト上の表現の変化をめぐっても双方が敏感に反応するのは、それだけ言葉の選び方が国内外の世論や市場にシグナルを送る手段になっているからです。
注目したい3つのポイント
- 公式サイトの文言はメッセージ:一見地味な文書の変更でも、対外政策の方向性や優先順位を示すシグナルになり得ます。
- 「競争」か「協力」か:米国が「戦略的競争」を強調する一方で、中国は協力と共存を強調しており、関係のフレーミングをめぐる対立が続いています。
- 首脳間合意の重み:中国は首脳電話会談での「共通認識」の履行を繰り返し求めており、トップ同士の合意を基準に米中関係を評価しようとしています。
今後も、米中それぞれがどのような言葉で相手との関係を説明し、自国民や国際社会に発信していくのかは、両国関係の行方を占ううえで重要な手がかりとなりそうです。
Reference(s):
FM spokesperson: U.S. changes to State Dept. webpage distort facts
cgtn.com








