中国軍、南沙群島空域からフィリピン軍機を退去させたと発表 南シナ海情勢
中国人民解放軍(PLA)南部戦区は、南シナ海の中国・南沙群島(Nansha Qundao)周辺空域にフィリピンの軍用機3機が「違法に侵入した」として、追跡し退去させたと発表しました。南シナ海をめぐる中国とフィリピンの対立が続くなか、空でのにらみ合いが改めて浮き彫りになっています。
中国軍「フィリピン機が南沙群島空域に違法侵入」と主張
南部戦区の発表によると、事案が起きたのは木曜日(現地時間)です。中国軍は、フィリピンのC-208型機2機とN-22型機1機を南沙群島付近の空域で発見し、追尾しながら警告を発したとしています。
南部戦区の報道官・田軍里氏は、これらの航空機は中国の許可なく、中国が管轄すると主張する空域に「違法に進入した」と述べ、中国軍が「合法的かつ正当な措置」として退去させたと強調しました。
田氏はまた、最近のフィリピン側の行動について「中国の正当な海洋権益を繰り返しゆがめ、中傷キャンペーンを行っている」と非難し、フィリピン側の姿勢を強く批判しました。
2月の別件でも「危険な飛行」と非難
田氏は、今回とは別に今年2月18日に起きた事案にも言及しました。
その際には、フィリピン機が黄岩島(Huangyan Dao)上空の中国が主張する空域に無断で進入し、飛行高度を何度も急激に変化させたと説明しています。わずか218秒で約920メートル降下し、中国の巡視ヘリコプターに意図的に接近したと主張しました。
田氏は、こうした飛行は「非専門的で危険な行為だ」と批判したうえで、フィリピン側が逆に中国の行動を「危険」と訴えていることについて、「事実を歪曲し、自らの不法な主張を正当化しようとするものだ」と述べました。
中国側が強調する「主権防衛」と警戒態勢
今回の発表で中国軍は、フィリピン側の「稚拙な戦術は必ず失敗する」と強い言葉でけん制しています。
田氏は、中国軍が国家主権と安全、そして南シナ海の平和と安定を守るため「常に高い警戒態勢を維持している」と強調し、今後も同様の対応を続ける姿勢を示しました。
南シナ海情勢を見るポイント
今回の中国人民解放軍の発表からは、南シナ海をめぐる中国とフィリピンの緊張が続いていることがうかがえます。フィリピン側は中国の対応を「危険」と批判しているとされる一方、中国側は自国の主権と海洋権益を守るための正当な措置だと主張しています。
今後の動きを考えるうえで、次のような点が注目されます。
- 双方の主張の食い違いが続くなかで、軍用機や艦船が接近する場面が増えれば、誤算や偶発的な衝突のリスクが高まる可能性があること
- 今回のような軍の発表や批判の応酬は、国際世論や国内世論に向けた情報発信の一部として位置づけられること
- 南シナ海は日本を含む多くの国と地域の重要な海上交通路であり、情勢の変化が間接的に経済や安全保障に影響しうること
Reference(s):
PLA expels Philippine aircraft from China's Nansha Qundao airspace
cgtn.com








