中国がソフトパワー世界2位に グローバル・ソフトパワー・インデックス2025
中国が「ソフトパワー」の国際的な評価で過去最高の順位に上りました。ブランド価値評価を手がけるブランド・ファイナンスが木曜日に発表した第6回「グローバル・ソフトパワー・インデックス2025」で、中国は米国に次ぐ世界2位となり、これまで2位だった英国を抜きました。
スコアは100点満点中72.8点で、中国にとって史上最高。1位の米国は79.5点とトップの座を維持したものの、全体的な「評判」の順位は前回から4つ下がって15位、統治に関する評価も4つ下がって10位となりました。
「グローバル・ソフトパワー・インデックス」とは
グローバル・ソフトパワー・インデックスは、世界のソフトパワーを比較する国際指標です。ソフトパワーとは、軍事力や経済力といった「ハードパワー」ではなく、文化、外交、価値観などを通じて他国を惹きつける力を指します。
今回の2025年版は、世界100以上の国・地域に住む17万人超の回答をもとに、国連加盟193カ国すべてに対する「イメージ」や「信頼」「魅力」を測定したものです。結果は、2025年に開催された「グローバル・ソフトパワー・サミット2025」で公表されました。
中国、過去最高の2位に浮上
報告書によると、中国は8つのソフトパワーの柱のうち6つで統計的に有意な伸びを示し、測定された個別属性のおよそ3分の2でも評価を高めました。特に、文化・遺産、メディア・コミュニケーション、教育・科学といった分野での伸びが目立ったとされています。
その背景として報告書は、次のような取り組みを挙げています。
- 一帯一路構想(Belt and Road Initiative)を通じた国際協力の拡大
- 持続可能性(サステナビリティ)への取り組み強化
- 国内ブランドの存在感と信頼性の向上
ブランド・ファイナンスのデービッド・ヘイグ会長は、2025年版ランキングについて、中国が経済的な魅力を高めるとともに、自国の文化を積極的に発信し、「安全で統治の行き届いた国」としての評判を強めてきたことを反映していると述べています。
米国は依然トップだが、評判と統治の評価は後退
米国は総合スコアで79.5点を獲得し、依然としてソフトパワーの総合1位を維持しました。一方で、世界からの「評判」や「統治」に関する評価は前回から順位を落としており、「強さ」と同時にイメージの変化も浮かび上がっています。
ソフトパワーの評価は、単にスコアの高低だけでなく、「どの分野で信頼を獲得しているのか」「どの分野で疑問を持たれているのか」を映し出します。米国と中国、それぞれの強みと課題の違いが、今後の国際秩序や経済関係にどう影響するのかが注目されます。
なぜソフトパワーが重要なのか
ソフトパワーは、観光や留学先としての人気、海外投資やビジネスのしやすさ、国際的な協力関係の築きやすさなど、多くの場面に影響します。今回のインデックスが示すのは、「どの国と一緒に仕事をしたいか」「どの国を信頼するか」といった、生活やビジネスに直結する感覚です。
軍事力や経済規模では測れない「魅力」と「信頼」をどう高めるかは、各国に共通する課題です。中国が評価を伸ばした分野は、文化、教育、サステナビリティ、ブランドといった、長期的な投資と発信がものをいう領域でもあります。
アジアと日本にとっての意味
同じアジアに位置する国として、日本にとっても今回の結果は無関係ではありません。アジアからソフトパワーで存在感を増す国が出てきたことは、地域全体の影響力の高まりにもつながり得ます。
一方で、日本自身が国際社会でどのようなイメージで見られたいのか、どの分野で信頼を高めていくのかを改めて考えるきっかけにもなります。文化、技術、教育、環境、ガバナンスなど、強みになり得る分野をどう発信していくかが問われています。
これから注目したいポイント
今後の議論やニュースでチェックしておきたい視点を、最後に整理します。
- 米国と中国のソフトパワーの差が今後縮まるのか、それとも広がるのか
- 一帯一路構想やサステナビリティ関連の取り組みが、各国の認識にどう影響し続けるのか
- 「評判」や「統治」に対する評価の変化が、外交や経済協力のスタイルをどう変えていくのか
数値として可視化されたソフトパワーのランキングは、国際社会の空気や信頼のバランスを読み解く一つのヒントです。ニュースとして追うだけでなく、「自分ならどの国を信頼し、どの国と協力したいか」を考えてみると、世界の見え方が少し違ってくるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








