中国外務省、ミャンマーからの詐欺容疑者送還がさらに続く見通し
ミャンマーとタイの国境地帯で活動していたオンライン詐欺グループに対し、中国が取り締まりを強めています。中国外務省は、ミャンマーから中国に送還される詐欺関連容疑者の第1陣200人がすでに帰国し、今後も複数のグループが順次送還される見通しだと明らかにしました。越境オンライン詐欺とギャンブルをどう抑え込むのか、中国・タイ・ミャンマーの協力が焦点になっています。
第1陣200人が中国へ送還、中国外務省が発表
中国外務省によると、詐欺関連犯罪への関与が疑われる中国人のうち、第1陣となる200人が、タイを経由してミャンマーから中国に戻りました。中国の警察当局が同行し、複数のチャーター機で東部の江蘇省南京市の空港に到着したとされています。
報道官の郭家坤(グオ・ジャークン)氏は会見で、この送還が中国、タイ、ミャンマー3カ国が共同で進める作戦の一環だと説明しました。この作戦は、タイとミャンマーの国境地帯で横行してきたオンラインギャンブルや詐欺などの犯罪を取り締まることを目的としています。
郭報道官は「中国および他国の市民の生命と財産を守るために、タイとミャンマーが詐欺集団の拠点を解体する強力な措置を取っていることを評価する」と述べました。その上で、オンラインギャンブルや詐欺は誰にも利益をもたらさず、最終的には法によって処罰されると強調し、中国は他国と協力しながら越境オンライン詐欺とギャンブルを断固として取り締まり、中国公民の生命と合法的権益を守る姿勢を示しました。
中国外務省と在外公館は、今後も領事保護と支援を一層強化し、中国公民の安全と福祉を守るために最大限の努力を続けるとしています。
タイとミャンマーで何が行われているのか
中国公安省によると、今回送還された容疑者らは、まずミャンマー側のミャワディに隣接するタイ北西部メーソートに移送された後、複数のチャーター機で中国へ送還されました。メーソートはミャワディと国境を接する地域です。
公安省の説明では、タイ側はミャワディに対し電力やインターネット、燃料の供給を停止し、詐欺に関与した人物の不法越境を防ぐため、国境地帯の巡回を強化しています。一方、ミャンマー側はミャワディにある通信詐欺拠点への強制捜索を実施し、詐欺容疑者を逮捕するとともに、詐欺グループに拘束されていた中国人を救出したとされています。
数字が示す越境オンライン詐欺の広がり
こうした越境犯罪への取り締まり強化は、ここ数年、中国当局が継続して進めてきた流れの延長線上にあります。中国公安当局は2023年7月に特別キャンペーンを開始して以降、北部ミャンマーを拠点に電信・インターネット詐欺に関与していた中国人容疑者5万3000人以上を逮捕したとしています。
最高人民検察院のデータによれば、2024年1月から11月の間に、中国各地の検察機関が電信・オンライン詐欺関連の容疑で起訴した人数は6万7000人を超え、前年同期比で58.5%増となりました。数字の伸びは、犯罪の広がりと、当局による摘発の強化の双方を反映しているとみられます。
裁判が映し出す犯罪ビジネスの実態
中国東部の浙江省では、最近、北部ミャンマーを拠点とする複数の大型通信詐欺グループの主要メンバーらを含む被告23人の裁判が開かれました。
起訴状によると、これらの被告は詐欺、故意の殺人、故意の傷害、違法な監禁、賭博場の運営、薬物の密売、売春の組織など、11項目に及ぶ罪状で訴追されています。単なる通信詐欺にとどまらず、暴力や薬物、性搾取が複雑に絡み合う犯罪ビジネスであることが浮き彫りになりました。
越境犯罪時代に問われる連携と私たちの備え
中国外務省は、タイやミャンマーと連携した今回の作戦を通じて、国境をまたぐオンライン詐欺やギャンブルに対抗する強い決意を示しました。背景には、中国公民の生命と財産を守るだけでなく、他国の人々の被害拡大を防ぎたいという思いもあります。
私たち一人ひとりにとっても、オンライン詐欺は身近なリスクです。高額な投資話や、身に覚えのない送金依頼、個人情報や認証コードの提供を迫るメッセージなどに直面したときには、すぐに返信せず、公式窓口で確認することが重要です。越境犯罪の取り締まりが進んでも、最終的な最後の防波堤は利用者自身の注意力だと言えるでしょう。
国境を越えてネットワーク化する犯罪に対抗するには、各国当局の連携と、市民側のリテラシー向上の両方が欠かせません。ミャンマーからの容疑者送還とその裏側にある数字は、越境オンライン詐欺がいかに大きな課題になっているかを静かに物語っています。
Reference(s):
MOFA: More fraud suspects to be repatriated from Myanmar to China
cgtn.com








