G20外相会合で王毅氏とラブロフ氏が会談 中国・ロシア関係の強化を確認
南アフリカ・ヨハネスブルクで開かれているG20外相会合の場で、中国の王毅外相とロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が木曜日、会談しました。中国・ロシア両国は「新時代の包括的戦略協力パートナーシップ」の一層の強化を確認し、多極化が進む国際秩序の中で協調を深める姿勢をあらためて示しています。
G20外相会合の傍らで行われた中国・ロシア外相会談
今回の会談は、ヨハネスブルクで開かれているG20外相会合の合間に行われました。王毅氏は、中国の外交トップである外相であると同時に、中国共産党の指導部である中国共産党中央政治局のメンバーでもあります。
会談では、中国とロシアの二国間関係に加え、多国間の枠組みを通じた連携や、国際情勢に対する見方についても意見が交わされました。
王毅氏「包括的戦略協力パートナーシップは新たな段階へ」
王毅氏は、中国とロシアの「新時代の包括的戦略協力パートナーシップ」が、より高いレベルとより広い次元へと進んでいると強調しました。
具体的には、次のような点に言及しました。
- 互いに利益となる協力が着実に進展していること
- 戦略面での緊密かつ効果的な協調が続いていること
- それが両国と両国民の共通の利益を守るうえで重要な役割を果たしていること
- 世界の多極化の進展を後押ししていること
王毅氏はまた、両国首脳がこれまでに達成してきた重要なコンセンサスを全面的に実行に移し、新しい年に向けて中国・ロシア関係をさらに前進させていきたいとの考えを示しました。
ラブロフ氏「ハイレベル交流と実務協力を一段と」
これに対しラブロフ氏は、ロシアとしても中国との連携を一層深めていく意向を表明しました。とくに次のような協力分野が挙げられています。
- 首脳・閣僚などハイレベルでの交流の強化
- 経済・貿易・金融分野での実務的な協力の深化
- 文化などソフトパワー分野を含む幅広い交流
ラブロフ氏は、中国とロシアがともに「多極化」を重視し、複雑で不透明さの増す世界情勢の中で安定要因としての役割を果たしていると位置づけました。
さらに、ロシアとしては次の点を評価していると述べました。
- 中国が打ち出している各種のグローバル構想を高く評価していること
- 両国の間で築かれてきた高いレベルの相互信頼を重視していること
- BRICS、上海協力機構、国連、G20などの枠組みで中国との意思疎通と調整を続けたいこと
二国間関係にとどまらず、多国間フォーラムにおいても歩調を合わせていく姿勢が強調されたかたちです。
中東情勢など国際・地域課題でも意見交換
会談では、中国とロシアが共通の関心を持つ国際・地域問題についても、見解の交換と立場の調整が行われました。その中には、中東情勢も含まれています。
詳細なやり取りは明らかにされていませんが、紛争や緊張が続く地域をめぐる外交的な対応について、両国がどのように連携していくかが議論されたとみられます。中東はエネルギー、地域安全保障、宗教・民族問題が複雑に交差する地域であり、中国とロシア双方にとって重要な外交テーマです。
静かに読み解く三つのポイント
今回の会談から、少なくとも次の三つのポイントが浮かび上がります。
- 二国間関係の「枠組み」があらためて確認された
両外相は「新時代の包括的戦略協力パートナーシップ」という枠組みを繰り返し強調しました。これは、単なる友好関係ではなく、長期的な戦略協力を前提とした関係であることを示しています。 - キーワードは「多極化」と「安定要因」
世界の多極化を進展させる、複雑な世界情勢の中で安定要因として振る舞う――という自己規定は、自国の役割をどう位置づけるかというメッセージでもあります。 - 多国間の場を通じた影響力行使
BRICS、上海協力機構、国連、G20など、複数の枠組みでの連携を強調した点は、二国間関係をベースにしながら、多国間の舞台で存在感を高めていく意図をうかがわせます。
G20という場で交差する「多極化」の議論
今回の会談は、主要国が集まり世界経済や国際課題を話し合うG20外相会合の周辺で行われました。この場で、中国とロシアが改めて自らを「多極化を支えるプレーヤー」と位置づけたことは象徴的です。
G20のように多様な国と地域が参加する場では、経済協力だけでなく、「どのような国際秩序をめざすのか」という価値観やビジョンもぶつかり合います。その中で、中国とロシアが戦略協力を強調することは、議論の構図にも静かな影響を及ぼします。
今後の焦点は「実行」と「多国間協調」
王毅氏は両国首脳のコンセンサスの「全面的な実行」を掲げ、ラブロフ氏も経済・金融・文化を含む幅広い分野での実務協力を挙げました。今後の焦点は、こうした言葉がどのような具体的なプロジェクトや政策として現れてくるかという点に移っていきます。
同時に、BRICSや上海協力機構、国連、G20などの多国間の場で、中国とロシアがどの程度まで足並みをそろえ、どのようなテーマで共通の立場を押し出していくのかも注目されます。中東情勢を含む地域課題での対応は、その試金石の一つとなりそうです。
ヨハネスブルクでのこの会談は、一見するとおなじみの「戦略パートナーシップ再確認」の一コマにも見えますが、その裏側では、変化し続ける国際環境の中で、どのように自らの影響力を組み立てていくかという静かな計算が動いているようにも映ります。
Reference(s):
Wang Yi, Lavrov discuss strengthening China-Russia ties at G20 meeting
cgtn.com








