中国とトルコ外相が会談 G20で経済・安全保障協力の拡大を確認
南アフリカ・ヨハネスブルクで開かれたG20外相会合に合わせて、中国の王毅外相とトルコのハカン・フィダン外相が会談し、経済から安全保障まで幅広い分野で二国間協力を拡大していく方針を確認しました。グローバルサウスの一員でもある両国が、ウクライナ危機やパレスチナ問題といった地域の課題への対応も含めてどのような連携をめざしているのかが注目されています。
G20外相会合の場で実現した中国・トルコ外相会談
今回の会談は、ヨハネスブルクで行われたG20外相会合の場で行われました。中国側からは、王毅外相が出席し、王氏は中国共産党中央委員会政治局の委員も務めています。トルコ側はフィダン外相が参加し、両外相は二国間協力の拡大で改めて足並みをそろえました。
両者は、今後の中国・トルコ関係を経済、開発、安全保障、地域情勢など多方面で強化していくことで一致し、実務的な協力を一段と深めていく姿勢を示しました。
グローバルサウスとしての連携強化
会談で王毅外相は、中国とトルコはいずれもグローバルサウスに属し、産業化を加速させている国であると指摘しました。そのうえで、両国の間には実務的な協力をさらに広げていく大きな潜在力があると強調しました。
中国はトルコとの関係を重視しており、自国の中東外交の中で重要な位置づけを与えているとしています。王毅外相は、両国の発展戦略の連携をさらに深め、協力分野を広げることで、両国だけでなく周辺の国々にも利益をもたらしたいと述べました。
経済・技術協力の拡大へ 貿易・投資・再生可能エネルギー
フィダン外相は、近年、中国とトルコがあらゆるレベルと分野で緊密な交流を維持してきたと振り返りました。政府間協力委員会の会合が相次いで開かれたことや、構想として進められている中部回廊ルート『ミドル・コリドー(中間回廊)』と中国の広域経済圏構想『一帯一路』の連携が順調に進んでいること、中国がすでにトルコにとって第2の貿易相手国となっていることなどを挙げました。
トルコは今後、中国との貿易と投資をさらに拡大するとともに、新たな協力分野として次のような領域を念頭に置いているとしています。
- 再生可能エネルギー
- 情報技術
- 人工知能(AI)
これらの分野での協力は、経済成長だけでなく、エネルギー転換やデジタル化といった構造変化にも関わるテーマであり、両国関係の質を高める試みとして位置づけられています。
シリア退避支援と対テロ協力 安全保障分野でも連携
王毅外相は会談の中で、最近シリアから中国人を退避させる際にトルコが提供した支援に対し、謝意を示しました。そのうえで、あらゆる形態のテロリズムと断固として闘うことは、中国とトルコ双方の共通の利益にかなうだけでなく、国際社会の幅広い共通認識でもあると述べました。
中国はトルコとの対テロ協力を強化し、地域および世界の平和と安定を共同で守っていきたいとしています。フィダン外相も、中国との間で、二国間および多国間の枠組みを通じて、次のような分野での協力を一層強める意向を示しました。
- 対テロ対策
- 法執行協力
- 安全保障協力
経済協力と並行して、安全保障面でも連携を深めることで、両国関係をより多層的なものにしていく狙いがうかがえます。
ウクライナ危機とパレスチナ問題 中国の立場を評価
両外相は、ウクライナ危機やパレスチナ問題など、いわゆる地域のホットスポットについても意見を交わしました。フィダン外相によれば、トルコはこれらの問題に対する中国の公正な立場を評価しており、中国とブラジルが共同で提案した六つのコンセンサス(六項目合意)を支持しています。
さらにトルコは、パレスチナ問題では『二国家解決』の原則を堅持すべきだとの認識を共有し、中国が地域諸国との関係を強化しようとしている点を歓迎するとしています。紛争の長期化が懸念される中で、多国間の合意形成や地域諸国との対話を重視する姿勢が印象づけられました。
経済・安全保障・外交をまたぐ多層的な関係へ
今回の会談では、産業化を進めるグローバルサウスの二国が、インフラやエネルギーなどの経済協力から、対テロや法執行といった安全保障、さらにはウクライナ危機やパレスチナ問題への対応まで、幅広い分野で歩調をそろえようとする姿勢が示されました。
中東外交の重要な柱としてトルコとの関係を位置づける中国と、第2の貿易相手国となった中国との関係をさらに深めたいトルコ。双方の利害が交わる点は多く、今後、再生可能エネルギーや人工知能といった新分野の協力がどこまで具体化するのか、また地域情勢の緊張緩和にどのように関与していくのかが、引き続き焦点となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








