中国でグローバル・デベロッパーズ・カンファレンス開幕 AI時代のオープンソースが主役
上海で開幕したグローバル・デベロッパーズ・カンファレンス(GDC)では、DeepSeekの成果を象徴とするオープンソースAIが主役となり、中国が世界の開発者コミュニティで存在感を高めていることが改めて示されました。
上海でGDC開幕 オープンソースが議論の中心に
中国・上海で開かれているグローバル・デベロッパーズ・カンファレンス(GDC)では、オープンソースソフトウエアと人工知能(AI)が主要テーマとなっています。特に、大規模AIモデルの一つであるDeepSeekの成果が注目を集め、オープンソース開発の価値が浮き彫りになりました。
会場には開発者や企業、研究者が集まり、ソースコードを公開して共同開発を進めるオープンソースの利点や、持続可能なコミュニティづくりなどについて活発な議論が交わされています。
DeepSeekのような大規模AIモデルがオープンソースとして公開されることで、世界中の開発者が改良や応用に参加できる環境が整いつつあります。
中国は世界2位のオープンソース貢献国に
カンファレンスで発表された中国の工業・情報化部(MIIT)の報告によると、中国はオープンソース分野で存在感を大きく高めています。オープンソースプロジェクトへの貢献者数で、現在は世界2位に位置付けられているといいます。
MIITが示した2024年時点のデータでは、中国のソフトウエア開発者数は940万人を超えました。また、中国通信標準化協会のクラウドコンピューティング標準・オープンソース推進委員会の報告によれば、中国発のオープンソースソフトウエアプロジェクトは世界全体の17%を占めているとされています。
こうした数字は、中国が単なるユーザーではなく、世界のオープンソース生態系を支える重要な貢献者となりつつあることを示しています。
AI産業を押し上げるオープンソース大規模モデル
報告によれば、中国では高品質なオープンソース大規模モデルやオープンソースプロジェクト、開発者コミュニティの数が着実に増えています。これがAI産業全体の活力を押し上げる原動力になっています。
オープンソースの大規模モデルが増えることで、次のような効果が期待されています。
- 企業やスタートアップが、基盤モデルを活用して独自サービスを素早く構築できる
- 大学や研究機関が、最新のモデルを使った研究を低コストで進められる
- 個人開発者も、世界基準の技術にアクセスしながらスキルを高められる
AI技術は、一部の大企業だけが独占するのではなく、オープンソースによって広く共有されることで、より多様なイノベーションが生まれやすくなります。
ハリー・シャム氏が語る「受益者から貢献者へ」の転換
基調講演では、かつてマイクロソフトの人工知能・リサーチ部門のエグゼクティブバイスプレジデントを務めたハリー・シャム氏が登壇しました。現在、香港科技大学の評議会主席を務める同氏は、DeepSeekのような中国発の大規模モデルがオープンソース化されたことで、中国はオープンソースの受益者から重要な貢献者へと移行していると強調しました。
シャム氏は、今後さらに多くの中国のチームが世界のオープンソースイノベーションを主導していくだろうと述べ、開発者コミュニティの可能性に強い期待を示しました。
今年で2回目のGDC 資金・市場・人材をつなぐ場に
今年で2回目の開催となるGDCは、単なる技術カンファレンスにとどまらず、開発者のためのハブとしての役割を担っています。主催者は、次のようなつながりを生み出すことを目指しています。
- 有望なプロジェクトが資金調達の機会を得る
- 新しい技術やサービスの活用シーンが見つかる
- 企業が新たな市場やビジネスパートナーと出会う
- 優秀な人材がチームやスタートアップに参加する
- 開発者が最新技術に触れながらスキルを磨く
- 若い世代が、志を同じくする仲間や協力者を見つける
こうした資源のマッチングを通じて、GDCは開発者コミュニティと産業界の連携を促し、中国のテクノロジー産業が国際的な舞台で存在感を高めることを後押ししています。
日本や世界の開発者にとっての意味
中国でオープンソースへの貢献が拡大し、AI関連の開発者コミュニティが活発化することは、日本を含む世界の開発者にも影響を与えます。
- 中国発のオープンソースプロジェクトへの参加や連携の機会が増える
- 多言語・多文化に対応したAIモデルやツールが登場しやすくなる
- 企業のAI導入において、選択可能なオープンソース基盤が増える
一方で、オープンソースにはライセンスやコミュニティ運営など、ルールづくりも欠かせません。技術だけでなく、どのように協力し合うかという開発の文化を共有できるかが、今後の焦点になりそうです。
GDCで示されたのは、AIとオープンソースが単なる技術トレンドではなく、開発者・企業・社会をつなぐインフラになりつつあるという現状です。国際ニュースとしての動きを追いつつ、国境を越えたコラボレーションが当たり前になる時代に、自分たちはどのように関わっていくのかを考えるきっかけとなる出来事だと言えます。
Reference(s):
Global Developers Conference opens in China: Open-source a hot topic
cgtn.com








