パーキンソン病治療に新標的FAM171A2 中国の研究チームが世界初発見
パーキンソン病の進行を抑える新たな治療法につながるかもしれない発見が報告されました。中国・上海の研究チームが、世界で初めてパーキンソン病の新しい治療標的となるFAM171A2を突き止め、病気の進行を遅らせうる候補薬も見いだしたとする研究成果が、科学誌Scienceに掲載されました。
中国・上海の研究チームが世界初の発見
中国の上海にあるFudan University付属のHuashan Hospitalの研究者らは、パーキンソン病治療に応用できる新たな治療標的としてFAM171A2を世界で初めて発見したと、金曜日に科学誌Scienceに掲載された論文で報告しました。
Huashan Hospitalの神経内科副主任であるYu Jintai氏が率いるチームは、この発見に基づき、パーキンソン病の進行を遅らせることができる候補薬も特定しています。この成果は、5年にわたる研究の結果だとされています。
研究は、National Center for Neurological DiseasesとNational Key Laboratory of Brain Function and Brain Diseasesの支援のもとで行われました。神経疾患と脳機能を専門とする国家レベルの研究機関が関わったことで、体制面でも大規模なプロジェクトだったことがうかがえます。
症状を抑える治療から、進行そのものを狙う治療へ
パーキンソン病は、アルツハイマー病に次いで一般的な神経変性疾患であり、患者の日常生活を深刻に損なう病気です。歩く、食事をする、身の回りのことをする、といった基本的な行為にも影響が及びます。
これまでのパーキンソン病治療では、薬物療法や外科的治療によって震えなどの症状を和らげることはできても、病気そのものの進行を食い止めることはできないとされてきました。今回示されたFAM171A2という新たな治療標的と、その標的に基づく候補薬の発見は、こうした状況を変える一歩になる可能性があります。
研究チームの成果を整理すると、次のようなポイントが見えてきます。
- パーキンソン病治療の新たな標的としてFAM171A2を世界で初めて特定した
- この標的に基づき、病気の進行を遅らせる可能性のある候補薬も同時に見いだした
- 研究期間は5年に及び、複数の国家レベル研究機関が支援した
- 従来は症状を抑えることが中心だったパーキンソン病治療に、新たな選択肢をもたらす可能性がある
患者と社会にとっての意味
パーキンソン病が「進行を止められない病気」とされてきたことは、患者や家族にとって大きな負担となってきました。今回の研究は、病気の進行そのものに目を向け、新たな治療標的と候補薬を提示した点で重要だといえます。
現時点で示されているのは、あくまで治療標的FAM171A2と、その標的を基にした候補薬という段階です。今後、この知見がどのような形で具体的な治療法へとつながっていくのかが注目されます。
それでも、症状だけでなく病気の進行そのものにアプローチできる可能性が示されたことは、パーキンソン病と向き合う多くの人々にとって新たな希望となりうる動きです。
国際ニュースとして見るパーキンソン病研究
今回の成果は、中国・上海の病院と大学、そして国家レベルの研究機関が連携して生まれたものです。国際的な科学誌であるScienceに掲載されたことで、パーキンソン病研究の分野で、この研究チームの存在感が一層高まる可能性があります。
パーキンソン病は世界中で患者がいる神経変性疾患です。こうした国際ニュースとしての研究成果が共有されることで、各国・各地域の研究者が互いに知見を参照し、より良い治療法の開発につなげていくことが期待されます。
FAM171A2という新たな治療標的と候補薬の発見は、今後のパーキンソン病研究における一つの起点となりそうです。症状を抑えるだけでなく、病気の進行をどうコントロールするか――そんな次のステージに向けた議論が、世界規模で加速していくかもしれません。
Reference(s):
Chinese researchers find new target to treat Parkinson's disease
cgtn.com








