中国春節の大移動、過去最多約90億人次 観光と文化消費に追い風
2025年の春節期間にあわせて行われた中国の大規模な帰省・旅行ラッシュ「春運」が終了し、その規模と観光消費の伸びが改めて注目されています。40日間で延べ約90億人が移動し、鉄道や航空などで過去最多を更新しました。
40日間で延べ約90億人が移動、鉄道・航空も記録更新
交通当局によると、2025年の春節「春運」期間中、中国全土では約40日間で延べ約90億人が移動しました。旅客数は統計開始以来の最高水準となり、鉄道と民間航空はいずれも過去の記録を上回りました。
海上輸送も活況で、国内の船舶による旅行は延べ5億人を超え、新たな節目を迎えました。中国各地を結ぶ交通ネットワークが広がり、人の動きがいっそう活発になっていることを示しています。
8日間の春節連休が生んだ新しい旅行スタイル
今年は公式な春節連休が従来より1日長い8日間となり、多くの人が「帰省+旅行」という過ごし方を選びました。休暇が長くなったことで、家族との団らんと観光を両立させやすくなったことが背景にあります。
甘粛省蘭州市からの旅行者ファン・インさんは「連休が長くなったおかげで、家族に会いに行くことも、日本でスキー旅行を楽しむこともできた」と話しており、国内外をまたぐ移動が個人レベルでも広がっている様子がうかがえます。
今回の春節では、中国国内の移動に加えて、海外旅行への関心も高まりました。延長された連休を活用して、近隣国を訪れる動きが目立ったことは、日本を含む周辺地域の観光市場にも影響を与えています。
国内観光は前年超え、2019年比で3割増の消費
中国の文化・観光部によると、1月28日から2月4日までの8日間の春節連休における国内旅行は延べ5億100万件となり、前年同期比5.9%増となりました。
国内観光による総消費額は6770億元(約934億ドル)に達し、前年から7%増加しました。2019年と比べても31.7%の大幅な伸びであり、観光が中国の経済成長と内需の拡大を支える重要な分野になっていることがうかがえます。
春節の大移動は、単なる帰省ラッシュではなく、移動に伴う飲食、宿泊、エンターテインメントなど幅広い分野の消費を押し上げる存在となっています。
ユネスコ登録で高まる「文化体験」志向
春節がユネスコの無形文化遺産代表リストに登録されたことも追い風となり、今年は文化体験や伝統行事への関心が一段と高まりました。古い街並みや歴史的建造物を訪ねる旅、地方ごとの祭りや工芸品に触れるツアーが人気を集めました。
たとえば、福建省泉州の人形劇、広東省汕頭の「英歌(インゴ)舞」、上海の豫園灯会などは、地元の人だけでなく、他地域からの旅行者にとっても「一度は見てみたい」イベントとして注目されています。
こうした文化イベントは、伝統文化を次世代に受け継ぐ役割を担うと同時に、地域経済に新たなにぎわいをもたらしています。
日本の読者へのヒント:大型連休と地域をつなぐ視点
今回の春節の動きは、日本の読者にとってもいくつかのヒントを与えてくれます。
- 連休を少し延ばすことで、人々が帰省と観光を組み合わせた柔軟な休み方を選びやすくなること
- 文化イベントと観光を連動させることで、地方都市にも継続的な人の流れを生み出せること
- 人の移動の活発化が、飲食や宿泊、サービスなど幅広い分野の需要を押し上げること
2025年の春節「春運」は、中国の移動のスケールの大きさだけでなく、観光と文化、そして消費をつなぐダイナミックな動きを象徴する出来事となりました。大型連休の設計と地域の魅力づくりが、今後も経済と文化の両面で重要なテーマになっていきそうです。
Reference(s):
China's grand Spring Festival travel rush ends with record numbers
cgtn.com








