中国映画で旅する中国 香港・マカオで観光キャンペーン始動
中国の人気映画をきっかけに、実際の観光につなげる──。香港とマカオの映画館で、中国各地への旅行を促すキャンペーン「China Travel with Chinese Films(中国映画で旅する中国)」が始まりました。話題作『Ne Zha 2』を軸に、映画とツーリズムを組み合わせた新しいインバウンド戦略が注目を集めています。
この記事のポイント
- 中国映画と観光を組み合わせたキャンペーンが香港・マカオ特別行政区でスタート
- 春節シーズンの大ヒット作『Ne Zha 2』公開に合わせ、旅行会社が映画館で撮影地ツアーを紹介
- 観客からは「中国本土を訪れたい」との声も上がり、今後は世界各地の国や地域への展開も見込まれる
「中国映画で旅する中国」キャンペーンとは
このキャンペーンは、中国映画局と中国メディアグループ(China Media Group)が主催し、香港特別行政区とマカオ特別行政区で土曜日にスタートしました。名称は「China Travel with Chinese Films」。中国で公開された話題の映画を入口に、中国本土への旅行需要を喚起する狙いがあります。
主な目的は、
- 映画の舞台や撮影地を巡るテーマ別の旅行ルートを開発すること
- より多くの海外観光客に中国本土を訪れてもらうこと
- 現地で自然や文化に触れてもらうことで、中国文化への関心と理解を深めてもらうこと
映画ファンの「この場所に行ってみたい」という気持ちを、実際の旅行につなげることで、中国へのインバウンド観光市場に新たな活力を与えようとしています。
香港で『Ne Zha 2』が好スタート
キャンペーン初日と同じ日に、中国の春節興行で1位となったアニメ映画『Ne Zha 2』が香港で公開されました。この作品は、香港特別行政区のアニメ作品としては歴代最高となるオープニング興行収入を記録し、強い話題性を示しました。
映画館ロビーが「旅行相談ブース」に
キャンペーン期間中、China Travel Service(Hong Kong)Limited や Ctrip Group といった旅行サービス企業が、香港の映画館にブースを設置しました。ロビーなどのスペースで、
- 『Ne Zha 2』の舞台となった地域や撮影された場所の紹介
- 作品に登場する景観を巡る特別な旅行ルート
- 映画の世界観を体験できるツアープラン
などを来場者に説明し、パンフレットや資料を配布しました。映画を見終えた観客や買い物中の来場者が足を止め、熱心に質問する姿も多く見られたといいます。
観客の声「中国本土に行ってみたい」
キャンペーンの反響は、映画を鑑賞した人々の声にも表れています。香港在住のアメリカ出身のスティーブン・チョイさんは、『Ne Zha 2』について「想像以上に迫力があり、映像技術やキャラクターの描き方も印象的だった」と評価しました。
そのうえで、作品を通じて中国本土への関心が強くなったとし、「ぜひ近いうちに中国本土を旅行したい」と、訪問への期待を語っています。
一方、マカオ特別行政区に住む外国人のキャルソンさんとダニーさんも、映画に盛り込まれた中国文化の要素に感銘を受けたと話します。キャルソンさんは、映画のロケ地を訪れ、現地の料理を味わう旅に出たいと述べ、ダニーさんは古代の青銅器で知られる三星堆博物館を訪れ、中国の歴史と文化をじっくり学びたいと語りました。
「映画+観光」モデルが狙う消費の波
Ctrip Group のマーケティング部門トップである周玉渓(Zhou Yuxi)氏は、この「映画+観光」という協力モデルについて、「旅行のように、視聴後しばらく時間をおいてから実際の支出につながる『遅延消費』を促すうえで、大きな役割を果たす」と指摘します。
映画を見たその場で航空券やツアーを予約する人は多くないかもしれませんが、心に残った作品の舞台は、中長期的に「次に行きたい場所」の候補として記憶に残ります。キャンペーンはそのタイミングを逃さず、観光情報と具体的な旅行プランを提示することで、観客の興味を「行動」に変えることを目指しています。
周氏はまた、「優れた中国映画は、中国文化への自信を映し出している。それが国内外の旅行者を惹きつけ、中国文化を理解し、好きになってもらうきっかけになる」とも述べています。
世界の国や地域へ広がるか
中国のブロックバスター映画(大作映画)は、近年、世界各地で人気を集めています。今回のキャンペーンも、その流れを背景に、今後はさらに多くの国や地域で展開される計画です。
映画をきっかけに中国本土を訪れる海外観光客が増えれば、
- 中国の映画産業の発展
- 観光・サービス産業の活性化
- 中国文化への理解と関心の拡大
といった複数の効果が期待されます。中国文化を海外に紹介する「名刺」のような役割も担うことになりそうです。
日本の観客にとってのヒント
スクリーンで見た風景を、次は自分の足で歩いてみる──この感覚は、日本の映画ファンにもなじみ深いものかもしれません。中国映画と観光を結びつける今回の取り組みは、アジアの他地域や日本にとっても、コンテンツ産業と観光をどう連携させるかを考えるヒントになりそうです。
今後、「China Travel with Chinese Films」のキャンペーンがどこまで広がり、どのような旅のスタイルを生み出していくのか。映画と旅行の新しい関係性に、引き続き注目していきたいところです。
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Reference(s):
'Travel with Chinese Films' campaign held in Hong Kong, Macao SARs
cgtn.com








