中国本土、台湾当局の教育交流制限を批判 学生の進学支援に波紋
2025年12月現在、台湾海峡をまたぐ教育交流をめぐって、中国本土と台湾当局の対立があらためて浮き彫りになっています。中国本土の報道官は、水曜日の記者会見で、台湾の民主進歩党(DPP)当局が教育分野での両岸交流を「前例のない無責任なレベル」で妨げていると強く批判しました。
何が起きたのか:台湾の教育当局が出した禁止措置
朱鳳蓮報道官によると、台湾の教育当局は、島内の大学が中国本土の Jinan University や Huaqiao University などの大学と提携することを禁じると表明しました。さらに、高校が中国本土の大学への出願や入学を希望する生徒を支援することも禁止したとされています。台湾側はその理由として、中国本土からの「浸透」への懸念を挙げています。
中国本土側の反応:学生の「学ぶ権利」をめぐる批判
これに対し、中国本土の国務院台湾事務弁公室の報道官である朱鳳蓮氏は、こうした措置は「ばかげており、荒唐無稽だ」として強く反発しました。朱氏は、Jinan University と Huaqiao University は高い評価を受け、多くの優秀な学生を育ててきた大学であり、その中には台湾の出身者も含まれると強調しました。
さらに朱氏は、DPP当局がいわゆる「独立」路線を推し進める中で、世論をコントロールしようとしており、その一環として学生の高等教育を受ける権利を制限していると批判しました。
朱氏は、DPP当局が通常の両岸交流を「脅威」とみなし、学生同士の交流までも「統一戦線の手口」とレッテル貼りしていると指摘。そのうえで、こうした姿勢は「情報のコクーン(囲い込み)」を作り出し、両岸の敵意を高める狙いがあると述べました。
また、台湾の大学で、中国本土からの訪問団を受け入れたとされる学生リーダーが解任された事例にも触れ、これを「学生への威圧だ」として、DPP当局によるもう一つの圧力のかけ方だと批判しました。
朱氏は、こうした抑圧的な姿勢は最終的には成功しないと述べ、「とくに若い学生を中心に、両岸の人々はより多くの交流を望んでいる」として、教育交流を止めることはできないとの考えを示しました。
教育と政治、どこまで切り離せるか
今回の発言は、中国本土と台湾当局の関係が緊張するなかで、教育という比較的ソフトな分野にも政治的な対立が色濃く影を落としていることを示しています。台湾側は安全保障上の懸念を強調し、中国本土側は学生の自由な選択と交流の重要性を訴えており、両者の溝は簡単には埋まりそうにありません。
若い世代と両岸関係への影響
大学進学や留学の選択肢が制限されれば、学生にとっては学ぶ場所の選択だけでなく、将来のキャリアや人脈づくりの機会にも影響が出る可能性があります。一方で、政策によって交流の場が狭められるほど、オンラインでの対話や、別の形での接点を模索する動きが強まることも考えられます。
朱氏が強調したように、両岸の若者同士の接点をどう確保していくのかは、台湾海峡をはさむ関係の将来にとっても重要なテーマです。教育交流のルール作りをめぐり、今後も議論が続きそうです。
これからの注目ポイント
- 台湾の教育当局が、大学間の協力禁止や高校による進学支援の制限をどの程度まで適用していくのか。
- 中国本土側が、学生交流の枠組みなどでどのような対応策を取るのか。
- 当事者である学生や大学が、この状況をどう受け止め、どのような声をあげていくのか。
国際ニュースとしては一見遠い話に見えるかもしれませんが、「教育をどこまで政治から自由にできるのか」「安全保障と交流のバランスをどう取るのか」という問いは、日本を含む多くの国と地域にも共通するテーマです。あなたなら、学生と教育機関のあいだの「自由な往来」と「安全保障」の線引きを、どこに引くべきだと考えますか。
Reference(s):
Mainland slams DPP for blocking cross-Straits educational exchanges
cgtn.com








