中国の観客が最新『キャプテン・アメリカ』に冷め気味な理由
中国の映画市場で、最新のハリウッド大作『キャプテン・アメリカ』がかつてほど盛り上がっていないとされています。スーパーヒーロー映画への情熱が薄れつつあり、「ハリウッド映画を出せば自動的に数十億円が稼げる時代は終わった」という見方が広がっています。
かつては「出せば当たる」存在だったハリウッド映画
国際ニュースとしても注目されてきたのが、中国の映画市場とハリウッドの関係です。2010年代からここ数年にかけて、アメコミ原作のスーパーヒーロー映画は、中国で高い興行収入を上げる作品の代表格でした。『キャプテン・アメリカ』シリーズもその象徴の一つでした。
しかし2025年現在、最新作の『キャプテン・アメリカ』は中国の観客の心を、以前ほど強くつかめていないとされます。ユーザーの一文にある通り、「スーパーヒーロー映画への情熱が薄れ」、ハリウッド作品が「簡単に莫大な興行収入を上げるお気楽な時代は過ぎ去った」と受け止められつつあります。
広がる「ヒーロー疲れ」:スーパーヒーロー映画は見飽きられたのか
中国の観客が最新『キャプテン・アメリカ』に以前ほど熱く反応していない背景として、「ヒーロー疲れ」とも呼べる現象が指摘されています。似たような世界観・キャラクター・展開の作品が長年続いたことで、新鮮さが薄れてきたという見方です。
具体的には、次のようなポイントがよく語られます。
- 作品数の多さ:シリーズ作品や関連作品が増え続け、一本一本の特別感が薄れた。
- 物語の複雑さ:過去作の知識が前提になり、「途中から入りづらい」と感じる人が増えた。
- パターン化した展開:世界の危機→ヒーローの葛藤→最終決戦という構図に、驚きが少なくなってきた。
シリーズとしての歴史が長くなるほど、コアなファンには響きやすい一方で、ライトな観客や若い世代には「今さら最初から追いづらい」作品にもなりがちです。最新『キャプテン・アメリカ』も、そのジレンマの中にあるといえます。
中国の観客の関心はどこへ向かっているのか
スーパーヒーロー映画への熱がやや冷めてきたからといって、中国の観客が映画そのものに興味を失ったわけではありません。むしろ、関心は多様化し、より地元の感覚に近い作品や、新しいジャンルへと広がっていると見られます。
よく挙げられるのは、次のような変化です。
- 物語の「共感度」を重視:日常や家族、仕事、若者文化など、自分たちの生活に近いテーマへの関心が高まっている。
- 国内制作作品の存在感:中国で制作された大作や青春ドラマ、コメディなどが、話題を集めるケースが増えている。
- アジア発コンテンツへの注目:アジア各地の映画やドラマ、アニメなど、選択肢そのものが広がっている。
こうした流れの中で、アメリカのスーパーヒーロー映画は「数ある選択肢の一つ」に位置づけられつつあります。以前のように、公開されれば自動的に最上位のヒットが保証される存在ではなくなっている、ということです。
生活スタイルの変化と映画館離れ
2020年代に入り、中国でも日本でも、人々のコンテンツとの付き合い方は大きく変化しました。動画配信サービスや短尺動画、SNSが当たり前の環境になり、2時間前後の映画に時間とお金をかけるかどうかを、よりシビアに判断する人が増えています。
最新『キャプテン・アメリカ』のようなハリウッド大作であっても、
- 「映画館で観るほどではない」
- 「配信で十分」
- 「話題になったらチェックすればいい」
と考える観客が増えれば、かつてのように公開初週から爆発的な興行収入を上げるのは難しくなります。
ハリウッドにとっての意味:戦略転換の必要性
中国の観客が最新『キャプテン・アメリカ』に以前ほど熱狂しないという現象は、一つの映画の好不調を超え、ハリウッド全体の戦略に関わる国際ニュースともいえます。
これまでの「大作スーパーヒーロー映画+巨大海外市場」という成功パターンが揺らぐ中で、ハリウッド側には次のような問いが突きつけられています。
- 特定のシリーズに頼りすぎず、新しい物語やキャラクターをどう生み出すか。
- 各国・各地域の観客が共感しやすいテーマを、どう物語に織り込むか。
- 映画館と配信、それぞれに適した作品づくりや公開戦略をどう組み立てるか。
中国での反応の変化は、ハリウッドにとって「これまでの延長線上では通用しない」というサインでもあります。
日本の観客にとっての示唆:「世界の大ヒット」は変わりつつある
日本の私たちにとっても、中国の映画市場で起きている変化は他人事ではありません。「世界で大ヒットしている作品」が以前より読みにくくなり、地域ごとに人気作品が分かれる傾向が強まれば、「何を見るか」の選び方も変わっていきます。
最新『キャプテン・アメリカ』をめぐる中国での反応は、次のような問いを投げかけています。
- 日本の観客は、今後もハリウッドのスーパーヒーロー映画を見続けるのか。
- それとも、中国と同じように、より身近なテーマや国内外の多様な作品へと関心が広がっていくのか。
中国の観客がスーパーヒーロー映画から一歩距離を取り始めた今、私たち自身の「これからどんな物語を求めるのか」を考えるきっかけにもなりそうです。
まとめ:ハリウッドの「お気楽な時代」は終わり、選ばれる時代へ
中国の観客の間で、最新『キャプテン・アメリカ』を含むスーパーヒーロー映画への情熱が薄れつつあるという指摘は、単なる一作品の問題ではありません。ハリウッド映画が中国で「簡単に莫大な興行収入を上げるお気楽な時代は歴史となりつつある」という見方は、2025年の映画ビジネスの現実を象徴しています。
これからのハリウッド作品は、中国を含む世界の観客から「なんとなく」ではなく、「あえて選ばれる」存在になれるかどうかが問われていきます。中国映画市場の変化を追うことは、グローバルなエンタメの行方を考えるうえで、これからも重要な国際ニュースになりそうです。
Reference(s):
Why Chinese viewers are losing interest in the latest Captain America
cgtn.com








