北京の古代建築が映画の主役に 紫禁城と万里の長城の物語
北京は中国の中で最も多くの文化財と古代建築を有する都市とされ、紫禁城、万里の長城、天壇などは観光名所としてだけでなく、映画の舞台としても世界中の観客を魅了してきました。本記事では、これらの北京の古代建築がどのように映画の中で生きているのかを、日本語でやさしく解説します。
北京は「古代建築の宝庫」
北京には、中国の歴史を物語る文化財と古代建築が高い密度で集まっています。紫禁城、万里の長城、天壇といった代表的な場所は、訪問先ランキングの上位に必ず挙がる存在です。
これらの建築は、独自の建築様式とスケールを持ち、物語性の強い舞台として多くの映画に選ばれてきました。観光地として歩いていると、ふと映画のワンシーンを思い出すという人も少なくないでしょう。
万里の長城を主役にしたアクション大作『グレートウォール』
映画『グレートウォール』は、中国の映画監督であるチャン・イーモウが手がけたアクション・アドベンチャー作品です。人類が生み出した偉大な建造物の一つとされる万里の長城を中心に物語が展開します。
作品は主に実際の万里の長城で撮影され、その歴史的な防御施設としての役割がダイナミックに描かれています。物語の舞台は宋代で、火薬の秘密を求めて中国にやって来たヨーロッパの傭兵一行が、謎の中国軍と出会うところから始まります。
この軍隊は、怪物の群れから長城を守るという極秘任務を担っており、ファンタジー要素を含みつつも、長城の構造や防御の仕組みが映像を通して臨場感たっぷりに伝わってきます。
紫禁城の内部で撮影された歴史大作『ラストエンペラー』
北京の中心部に位置する紫禁城は、かつての皇帝の宮殿であり、現在はパレスミュージアムとも呼ばれる巨大な宮殿複合体です。この紫禁城の内部で撮影された作品が、1987年公開の歴史大作『ラストエンペラー』です。
イタリアの映画監督ベルナルド・ベルトルッチが監督したこの作品は、中国最後の皇帝・溥儀の半生を描いています。広大な中庭、連なる門、色鮮やかな屋根や柱など、紫禁城そのものが物語の重要な登場人物のように画面に映し出されています。
『ラストエンペラー』は、こうした紫禁城の姿を余すところなく捉えたことで高く評価され、作品はアカデミー賞で作品賞を含む複数の賞を受賞しました。2025年の今見ても、その映像美とスケールは色あせていません。
古代建築がつくる「映像としての中国像」
北京の古代建築を実際のロケ地として使うことは、映画にリアリティと重みを与えます。万里の長城の上に立つ登場人物や、紫禁城の広大な空間を歩く人物の姿を通じて、観客はその場の空気まで感じ取ることができます。
一方で、『グレートウォール』のようにファンタジー要素を組み合わせた作品では、歴史的な建築が物語の舞台装置として新しい意味を持ちます。現実の長城の姿と、そこに重ねられた想像上の物語が、観客の中で独特のイメージを形づくっていきます。
北京を旅するときの「映画的な視点」
これから北京を訪れようとしている人にとって、これらの映画は予習としても役立ちます。万里の長城や紫禁城を実際に歩くとき、映画のシーンを思い出しながら眺めると、同じ景色でも違って見えてくるはずです。
逆に、すでに北京を訪れたことがある人が改めてこれらの作品を見ると、あの場所はここだったのかと、自分の記憶と映画のイメージが重なり合う体験ができるでしょう。古代建築と映画、その両方を通じて、中国の歴史と文化にじっくり触れてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








