米国はまず核戦力と軍事費を削減すべきと中国国防省報道官 トランプ氏発言に言及
中国国防省のWu Qian報道官は、米国は「アメリカ・ファースト」を実行し、世界最大の核戦力を持つ国として、核戦力と軍事費の削減で率先すべきだと述べました。米トランプ大統領の核軍縮に関する発言に対する、中国側の公式なメッセージとして注目されています。
米国に「まず自分から削減を」と要求
Wu報道官は木曜日の記者会見で、米国は自ら掲げる「アメリカ・ファースト」を、核軍縮と軍事費の分野でも実行すべきだと主張しました。そのうえで、米国こそが最初に核兵器の保有数と軍事支出を削減するべきだと強調しました。
この発言は、トランプ米大統領が、中国とロシアとの間で核軍備管理協議を行う意向を示し、3か国の国防予算を半減させる案に言及したことを受けたものです。中国側は、米国の提案そのものだけでなく、まずは米国自身の行動が問われるべきだという立場を示した形です。
世界最大の核戦力をめぐる「特別な責任」
Wu報道官は、世界最大の核兵器保有国である米国には、核軍縮に関して「特別かつ第一の責任」があると指摘しました。そのうえで、米国は核兵器の削減について、より「大幅で実質的な削減」を進めるべきだと求めました。
- 米国は世界最大の核兵器保有国であると指摘
- 核軍縮において「特別で主要な責任」があると強調
- 単なる象徴的な範囲ではなく、「大幅かつ実質的な」削減を要求
こうした表現には、核軍縮の議論において、どの国がどこまで責任を負うべきかという、長年の国際的な論点がにじんでいます。
中国が掲げる核政策:先制不使用と自衛防御
同じ会見の中で、Wu報道官は、中国が核兵器について「先制不使用」の方針を堅持していることを改めて強調しました。先制不使用とは、自国が核攻撃を受けない限り、自ら先に核兵器を使わないという立場を指します。
また、中国は核戦力について自衛目的の戦略をとり、国家安全保障に必要な「最小限の水準」に核戦力を維持していると説明しました。自らの核政策の慎重さを示すことで、米国に対し、より大きな削減努力を促す狙いがうかがえます。
米国の防衛費に対する問題提起
防衛予算をめぐっても、Wu報道官は米国を強く意識した発言を行いました。米国の国防費は長年にわたり世界最大であり、その規模は「次いで多い8か国の合計を上回る」と指摘しました。
そのうえで、こうした状況を踏まえ、米国こそが核戦力と軍事費の削減で「まず先頭に立つべきだ」と重ねて主張しました。トランプ大統領が3か国の防衛費半減案に言及したことに対し、中国側は米国にボールを投げ返した形です。
核軍縮と安全保障をどう考えるか
今回のやりとりは、核軍縮をめぐる国際ニュースとしてだけでなく、大国同士のメッセージの出し方という点でも興味深いものです。米国側の提案に対し、中国側は「責任」と「優先順位」という言葉を用いて応じました。
核兵器と防衛費の問題には、次のような論点があります。
- 核兵器を保有する国は、どこまで削減の責任を負うべきか
- 防衛費を削減しながら、どのように安全保障を維持するのか
- 大国同士の発言の応酬が、国際社会の不信を深めるのか、それとも対話のきっかけになるのか
数字や規模のインパクトが目を引きがちな核軍縮や防衛費の議論ですが、その裏側には「誰がどれだけ負担を負うべきか」という政治的・道義的な問いがあります。今回の中国国防省の発言は、その問いをあらためて突きつけるものと言えます。
国際ニュースを日本語で追う私たちにとっても、単なる米中の対立や駆け引きとして消費するのではなく、「自分ならどのような優先順位をつけるべきだと考えるか」を考えてみるきっかけになりそうです。
Reference(s):
U.S. should cut own military expenditure first: Chinese spokesperson
cgtn.com








