国際ニュース 映画『アバター』のパンドラは中国・張家界という現実の絶景
映画『アバター』に登場する幻想世界「パンドラ」のモデルとされる中国・湖南省の景勝地、張家界。その現実の風景は、いまも世界の旅行者と映画ファンの想像力をかき立てています。
霧に浮かぶ「パンドラ」の原風景、張家界とは
中国中部・湖南省にある張家界は、霧に包まれた奇岩の峰々がそびえ立つ、まるで別世界のような自然景観で知られています。石英砂岩でできた柱状の山々が林立する姿は、自然がつくり出した立体絵画のような風景です。
この張家界の中心部に位置する武陵源景勝区の張家界国家森林公園、その中の袁家界景区こそが、世界初の3D SF超大作『アバター』に登場する惑星パンドラの重要なインスピレーション源です。約3,000本もの石英砂岩の柱が空に向かって伸びるこの超現実的な景観は、作中の伝説的な山々として知られるハレルヤ・マウンテンの実際のロケ地にもなりました。
生きている風景画としての張家界
張家界は、単なる自然の驚異にとどまらず、生きて呼吸する風景画のような場所だとされています。何世紀にもわたり、この土地には豊かな地質学的な奇観と民間伝承、そして土家族の文化遺産が受け継がれ、それが張家界ならではの独自の魂を形づくってきました。
霧はそびえ立つ峰々のあいだを漂い、ゆっくりと上下に動きながら、大地そのものの呼吸のように見えます。その光景が、張家界の景色にどこか神秘的で夢のような雰囲気を与え、現実と空想の境界をあいまいにしているのです。
世界遺産と世界ジオパークが示す価値
1992年、武陵源はユネスコの世界自然遺産として正式に認定されました。張家界を含むこのエリアは、世界でも屈指の特異な自然景観として、その価値が国際的に位置づけられたことになります。
さらに2004年には、張家界が世界初期のユネスコ世界ジオパークの一つに指定されました。ここは、石英砂岩の峰林景観を代表する地として評価されており、張家界の地質学的な重要性を物語っています。
2025年現在も、張家界は世界各地から訪れる人々を魅了し続けています。袁家界の峰の上に立ち、眼下に広がる奇岩群を眺めるときも、金鞭渓と呼ばれる渓流沿いを歩き、静かな自然の音に身をゆだねるときも、そこにいる一人一人が地球という惑星の魂と対話しているような感覚を覚えるといわれます。
自然とファンタジーのあいだで何を感じるか
3D映像で描かれた映画『アバター』のパンドラは、一見すると純粋な空想の世界です。しかし、そのイメージの背景には、張家界という現実の大地があります。現実の山々や渓谷が物語の中で再構成され、世界中の観客が共有するファンタジーの風景へと変わっていく過程には、自然と想像力が交わる興味深い瞬間が見えてきます。
張家界のような場所を前にすると、自然はしばしば人間の想像を超える形で存在していることに気づかされます。そして、人はその圧倒的な景観に物語や神話を見出し、映画や小説を通じてもう一つの世界を描いてきました。
国際ニュースや世界の動きを日本語で追いかける私たちにとっても、張家界は単なる観光地以上の意味を持つ存在です。自然遺産としての価値と、ポップカルチャーの象徴としての顔をあわせ持つこの土地を知ることは、自然と人間の創造性の関係について静かに考えるきっかけを与えてくれます。
Reference(s):
Zhangjiajie: The real-life 'Pandora' from the movie 'Avatar'
cgtn.com








