スヌーカーWSTワールドオープン:ジョン・ヒギンズが完勝で4強入り
スヌーカーの国際大会、ワールドスヌーカー・ツアー(WST)ワールドオープン準々決勝で、スコットランドのジョン・ヒギンズが中国のパン・ジュンシュ(Pang Junxu)を5-0で完封し、ベスト4進出を決めました。ベテランの安定感と精度の高さが際立つ内容で、国際スヌーカーシーンの現在地を示す一戦となりました。
ジョン・ヒギンズ、ブレーク連発でパンを5-0完封
中国東部・江西省上饒市で行われたWSTワールドオープン準々決勝で、4度の世界王者ジョン・ヒギンズが地元のパン・ジュンシュを圧倒しました。スコアは5-0。第1フレームから125の高得点ブレーク(テーブルを一度も相手に回さずに取り続ける連続得点)を叩き出し、完全に主導権を握りました。
その後もヒギンズは、87、96、81と高いブレークを立て続けに決め、パンにほとんど反撃の糸口を与えませんでした。試合全体を通じて、ショット選択とポジショニングの精度が光り、スコア以上に内容の差が感じられるゲームとなりました。
唯一の地元選手も力及ばず
パン・ジュンシュは、今大会ベスト8に残った唯一の中国出身選手として期待を集めていましたが、地元の声援も及ばず、世界トップクラスの壁に跳ね返される形となりました。それでも、強豪相手に準々決勝まで勝ち上がった経験は、今後の成長につながると見られます。
2022年ウェールズ予選に続き、ヒギンズが優位キープ
両者が直前に対戦したのは、2022年のウェールズ・オープン予選でした。このときもヒギンズが4-1で勝利しており、今回の5-0完封で、パンに対する相性の良さを改めて示した形です。パンにとっては雪辱のチャンスでしたが、ヒギンズの完成度の高いプレーの前に、攻めのリズムを作れないまま終わりました。
準決勝の相手はザック・シュアティ
ヒギンズは準決勝で、イングランドのザック・シュアティと対戦します。シュアティは同じく準々決勝で、同胞のトム・ファードを5-3で下し、4強入りを決めました。
4度の世界王者として長年スヌーカー界をけん引してきたヒギンズに対し、ツアーで存在感を高めつつあるシュアティがどこまで食い下がれるか。経験値と試合運びではヒギンズが一歩リードしていると見られますが、短いフォーマットでは一気に流れが変わる可能性もあり、準決勝は見どころの多いカードになりそうです。
もう一つの山ではオコナーがマーフィー撃破のジャイアントキリング
反対側の山の準々決勝では、イングランド勢同士の注目カード、ジョー・オコナー対ショーン・マーフィーが行われました。結果はオコナーが5-1で勝利し、「ジャイアントスレイヤー(ジャイアントキラー)」ぶりを発揮しました。
オコナーは第1フレームから135のビッグブレーク、第2フレームでも100のセンチュリーブレーク(100点以上のブレーク)を記録し、一気に2-0とリード。第3フレームではマーフィーも128のセンチュリーで応戦しましたが、オコナーは第4フレームで132を含む3フレーム連取。スコア5-1で試合を締めくくりました。
「チャンスを与えなかった」オコナーの自己評価
試合後、オコナーは「本当に良いプレーができて、ショーンにあまりチャンスを与えませんでした」と振り返りました。
さらに「ロングポット(遠距離からの長いシュート)が決まり始めたら、トップ選手をきっちり punish(逃さず得点につなげる)しないといけません。今日はそれができたと思いますし、そのことを誇りに感じています」と、自身のゲームプランが機能したことを強調しました。
オコナーは「何年も前から自信は持っていましたが、今週はそれがすべてかみ合っています。もしこのプレーを続けられれば、トロフィーを獲れるかもしれません。自分のゲームがかみ合った時には、誰に対しても勝てると感じています」とも語り、今大会への手応えと自信をにじませています。
オコナーの次戦はアリ・カーター、接戦を制して4強入り
オコナーが準決勝で対戦するのは、同じくイングランドのアリ・カーターです。カーターはバリー・ホーキンスとの準々決勝で、1-3、3-4とビハインドを背負いながらも粘り強く追い上げ、最終的に5-4で逆転勝ち。フルフレームにもつれる接戦を制し、ベテランらしい勝負強さを見せました。
カーターは、これまで獲得した6つのランキングタイトルのうち2つを中国開催の大会で挙げており、中国での試合を得意としてきた実績があります。今回も中国でのWSTワールドオープンという舞台で、再びタイトル争いに絡むことができるのか注目されます。
4強の構図:ベテランと新鋭が交差するWSTワールドオープン
今回のWSTワールドオープン準決勝の顔ぶれからは、現在のスヌーカー界の特徴がいくつか見えてきます。
- 4度の世界王者ジョン・ヒギンズに代表される、経験豊富なベテランの存在感
- オコナーのように、ランキング上位を次々と破る「ジャイアントキラー」的な新鋭の台頭
- カーターのように、中国開催の大会で実績を重ねてきた選手が再び躍動していること
- シュアティのように、準決勝進出をきっかけにキャリアのステップアップを狙う選手の挑戦
スヌーカーは一見すると静かな競技ですが、1球ごとの選択とリスク管理、そしてメンタルの強さが勝敗を大きく左右します。今回のWSTワールドオープン準決勝以降も、ベテランと新鋭が交差する国際舞台として、フレームごとの駆け引きに注目したいところです。
国際ニュースやスポーツを日本語で追いかけたい読者にとっても、今大会は「読みやすいのに考えさせられる」素材が詰まったトーナメントと言えそうです。
Reference(s):
John Higgins sweeps Pang Junxu to reach WST World Open semifinals
cgtn.com








