国際ニュース:中国共産党政治局会議 政府活動報告案と高品質発展の方向性
中国共産党中央委員会総書記の習近平(しゅう・きんぺい)氏は、最近開かれた中国共産党中央政治局会議を主宰し、2026年3月5日に開幕が予定されている全国人民代表大会(全人代)年次会議に提出する政府活動報告(政府の仕事報告)の原案を協議しました。中国経済の運営方針と今後のマクロ政策の方向性を示す場として、国際的な注目が集まっています。
中国経済は「安定の中で前進」 高品質発展と中国式現代化を強調
会議では、過去1年間、中国経済は「全体として安定し、着実に前進した」と総括されました。高品質な発展の追求で着実な前進を遂げ、社会全体の安定も維持されるなど、「中国式現代化」の推進で確かな歩みを進めていると評価されています。
こうした自己評価は、成長のスピードだけでなく、産業構造の高度化やイノベーション、安全と安定といった質の面を重視する路線が引き続き確認されたものと言えます。
「進む中で安定を保つ」方針と新たな発展パターン
政治局会議は、今後も「安定を保ちながら前進を図る」という全体方針を堅持し、中国が掲げる「新発展理念」を全面的かつ正確に実行する必要性を強調しました。
具体的には、次のような方向性が打ち出されています。
- 内外の循環をより高い水準でかみ合わせる「新たな発展パターン」の形成を加速すること
- 高品質発展を着実に推進すること
- 改革を一層深く、幅広く進めること
- 高水準の対外開放を拡大すること
- 現代的な産業体系を構築すること
- 発展と安全保障をより良く統合的に進めること
経済発展と安全のバランスをどのように取るかが、今後の政策運営における重要なテーマであることが改めて示された形です。
マクロ政策:より積極的で効果的に
会議は、持続的な景気回復を支えるため、マクロ経済政策を「より積極的で、影響力のあるもの」にする必要があると指摘しました。
そのうえで、次のような優先課題が示されています。
- 内需(国内需要)の拡大
- 科学技術イノベーションと産業イノベーションの一体的な推進
- 不動産市場と株式市場の安定化
- 重要分野のリスクや外部からのショックの予防と解消
- 市場の期待の安定と、企業や社会の活力の引き出し
内需の拡大や不動産・株式市場の安定は、国内の雇用や家計、企業の投資意欲に直結します。イノベーションと産業の一体的な発展を掲げることで、成長と構造改革を同時に進めるねらいも読み取れます。
第14次五カ年計画の目標達成と第15次への地ならし
政治局会議は、今後の課題として、持続的な経済回復の推進、人々の生活水準の継続的な向上、社会の調和と安定の維持を挙げました。
あわせて、第14次五カ年計画(2021〜2025年)で掲げた目標と任務を「高い水準で」達成し、2026〜2030年の第15次五カ年計画期間に「良いスタート」を切るためのしっかりとした土台を築く必要があると強調しました。
2025年が第14次五カ年計画の最終年であることを踏まえると、今回の会議は、これまでの成果を総括しつつ、次の計画期間に向けてどのようなペースとバランスで経済運営を行うかを探る場ともなっています。
国際社会と日本にとっての意味
中国の全国人民代表大会(全人代)の年次会議では、国務院(政府)が提出する政府活動報告が審議されます。2026年3月5日に開幕が予定される次回会議に向けて、今回の政治局会議でその原案の中身が議論された形です。
中国経済の運営方針や改革・開放、高品質発展の優先順位は、日本を含む世界の企業や市場関係者にとっても重要な情報です。内需拡大やイノベーション、リスク防止といったキーワードが、どのような具体策として示されていくのかが注目されます。
「安定を保ちながら前進する」という方針のもとで、景気の変動に対応しつつ、どこまで改革や構造転換を進めるのか。来年の全人代で公表される正式な政府活動報告と、今後の政策運営を見ていく必要があります。
Reference(s):
Xi chairs CPC leadership meeting to discuss draft govt work report
cgtn.com








