重慶「山の都」はこうして中国第4の経済都市になった
中国の「山の都」重慶が、辛い火鍋だけでなく、経済とカルチャーの両方で存在感を高めています。2024年のGDPで広州を上回り、中国で第4位の経済都市となった重慶はいま、製造業の拠点であり、映画のロケ地としても世界の注目を集めています。 険しい坂道と高層ビル、そして夜景と火鍋——そんなイメージが強い重慶ですが、その裏側では着実な経済成長が進んでいます。2024年、重慶のGDPは3.2兆元(約4,420億ドル)に達し、広州を抜いて中国第4位の「経済大国」の座につきました。 成長率も力強く、2024年のGDP成長率は前年より5.7%増。一方、広州のGDPは3.1兆元で、成長率は2.1%にとどまっています。数字だけを見ても、重慶がいま勢いに乗っていることが分かります。 重慶は「思っているよりずっと大きく、ずっと忙しい」都市です。基本的な数字を整理すると、そのスケール感が見えてきます。 面積も人口も経済規模も、いずれも「メガシティ」と呼ぶにふさわしい水準です。長江に沿って広がるこの巨大都市圏では、インフラや産業、サービス業が絶えず動き続けています。 重慶の成長を支えているのは、一つの分野ではなく、複数の強みが重なり合う「総合力」です。スマートな製造業と、急速に存在感を増す映画産業がその代表的な例です。 重慶は、デジタル技術を活用したテック系の製造業に力を入れています。データや自動化を取り入れた「スマート製造」によって、効率を高めながら付加価値の高いモノづくりを進めていることが、安定した経済成長につながっていると考えられます。 単なる工場集積ではなく、技術とデザイン、サービスを組み合わせることで、外部ショックにも比較的強い産業構造が形成されつつある点は、日本の地域経済にとっても示唆的です。 もう一つの顔が、映画やドラマのロケ地としての人気です。独特の地形と歴史ある街並み、高速道路とビルが立体的に交差する風景は、映像作品にとって魅力的な舞台となっています。 重慶では毎年100を超える撮影クルーが市内各地で撮影を行っており、映画・ドラマの「聖地」としての存在感も増しています。たとえば、映画『Back to 1942』の撮影地として知られるBaisha Film and Television Baseは、国際的にも注目されるロケーションになりました。 また、映画『Better Days』に登場した筒状の集合住宅や朝天門大橋などは、作品のファンにとっての巡礼スポットとなり、世界各地からファンが訪れる象徴的な風景になっています。 こうした「映える」景観は、ロケ誘致だけでなく、観光や都市ブランドづくりにもつながっていきます。経済と文化を同時に強くしていく重慶の戦略がうかがえます。 火鍋と夜景のイメージを持たれがちな重慶ですが、その実態は、スマート製造とコンテンツ産業、そして巨大な都市スケールを掛け合わせた「21世紀型の都市モデル」の一つと言えそうです。 数字の上でも、中国で第4位の経済都市となった重慶。今後も、テクノロジーとカルチャーを組み合わせた成長のあり方が、他の都市や地域政策のヒントとして注目されていきそうです。「山の都」重慶はなぜ経済大国になったのか
重慶101:スケールも経済も桁違い
成長エンジン:製造業とテック、そして映画の街
スマート製造が支える「稼ぐ力」
映画・ドラマが注目する「ロケ地としての重慶」
重慶から見える、これからの中国都市像
Reference(s):
cgtn.com








