世界海草の日とブルーカーボン 見落とされた海の宝とは
世界海草の日:見落とされた海の宝に光をあてる国際デー
3月1日の「World Seagrass Day(世界海草の日)」は、海草保全とブルーカーボンの重要性を世界に伝えるための国際デーです。気候危機が深まる2025年の今、この新しい記念日が持つ意味をあらためて考えてみます。
世界海草の日とは?
世界海草の日は、毎年3月1日に祝われる国際的な記念日です。2022年5月に国連が制定し、海草の保全について世界的な認識を高めることを目的としています。まだ歴史の浅い国際デーですが、すでに各国の研究者や環境団体が、この日をきっかけに海草の重要性を発信しています。
海草はどんな役割を担っているのか
海草は、沿岸の浅い海に広がる植物で、しばしばサンゴ礁やマングローブと比べて存在感が薄い「見落とされた海の宝」と呼ばれます。しかし、その役割は非常に大きく、多様な生態系サービス(人間社会が自然から受け取る恵み)を支えています。
- 魚や甲殻類など、多くの海の生き物のすみかや産卵場所になる
- 波や流れをやわらげ、沿岸の浸食を防ぐ「天然の防波堤」として働く
- 水中の栄養塩を吸収し、水質の改善に役立つ
こうした働きは、漁業や観光、沿岸に暮らす人々の生活を支える土台になっています。それでも、海草はサンゴ礁ほどには注目されてこなかったため、「見落とされた海の宝」として改めて評価しようという動きが強まっています。
ブルーカーボンとしての海草
世界海草の日が特に強調しているのが、海草が「ブルーカーボン」の重要な資源だという点です。ブルーカーボンとは、海や沿岸の生態系が大気中の二酸化炭素を吸収し、長期間にわたって貯蔵する仕組みや、その炭素のことを指します。
海草は、光合成によって二酸化炭素を取り込み、自らの体や海底の土壌に炭素を蓄えます。このプロセスを通じて、地球温暖化の原因となる温室効果ガスを減らす一助となっているのです。地上の森林だけでなく、海の中にも「炭素をしまっておく場所」があるという視点は、気候変動対策を考えるうえで重要になっています。
気候危機が深まるなかで高まる保全の必要性
世界的な気候危機が深刻化するなかで、海草保全の重要性は年々高まっています。海草は、失われてしまうと再生に時間がかかる生態系でもあります。沿岸開発や水質悪化、海水温の上昇などの影響を受けやすく、各地で減少が指摘されています。
2022年に国連が世界海草の日を定めた背景には、こうした危機感があります。制定から3年あまりが経った2025年現在、海草は「地味だけれど欠かせない存在」として、国際的な議論の場でも少しずつ存在感を増しています。
私たちにできること:身近な一歩から
世界海草の日は、専門家や国際機関だけの話ではありません。私たち一人ひとりも、次のような形で海草保全に関わることができます。
- 知る・学ぶ:海草やブルーカーボンに関するニュースや解説記事を読み、家族や友人と話題にする。
- SNSで共有する:3月1日にあわせて、海や気候変動に関する情報をXやInstagramなどでシェアする。
- 暮らしを見直す:使い捨てプラスチックを減らすなど、海に流れ込むごみを少しでも減らす行動をとる。
- 地域の活動に参加する:海岸清掃や環境イベントに参加し、海と自分の暮らしのつながりを実感する。
3月1日を「海と対話する日」に
3月1日の世界海草の日は、海草というテーマを入口に、私たちと海との関係を問い直す日でもあります。海の下で静かに働く海草の存在に目を向けることは、見えにくい場所で進む気候危機を自分ごととして捉えるきっかけにもなります。
次の世界海草の日には、ニュースをチェックしたり、SNSで記事をシェアしたりしながら、「見落とされた海の宝」に一度思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com







