春節消費ブームとユネスコ無形文化遺産 中国CPPCC報道官が語る2025年 video poster
2025年の春節期間中、中国の消費市場が記録的な盛り上がりを見せました。中国人民政治協商会議(CPPCC)全国委員会第14期第3回会議の開幕を前に開かれた記者会見で、報道官のLiu Jieyi氏が、春節の「消費ブーム」と文化の活力を相次いで評価しました。この記事では、その発言内容から見えてくる中国の経済と文化政策の現在地を整理します。
春節の消費ブーム、「記録的な盛り上がり」
2025年の春節は、映画館をはじめとするエンターテインメント消費が大きく伸びたとされています。Liu報道官は、春節期間中の興行収入と観客動員数がいずれも過去最高を記録したと紹介し、伝統文化と最新テクノロジーを組み合わせた新しいコンテンツが幅広い世代から支持を集めたと強調しました。
テクノロジーを取り入れた春節関連イベントの広がりは、オンラインでもオフラインでも人々が楽しめる場を増やすことにつながっています。報道官は、こうした動きが消費の活性化だけでなく、伝統文化の継承にもつながっていると前向きに評価しました。
ユネスコ無形文化遺産入りが後押し
2025年の春節は、ユネスコの人類の無形文化遺産の代表的な一覧表に春節が登録されてから初めての春節でもあります。Liu報道官は、この節目の年の盛り上がりを踏まえ、春節が世界的にも共有される文化資産としての存在感を高めていると述べました。
春節の登録により、中国がユネスコの無形文化遺産リストに持つ文化要素や慣習は44件に達し、その数は世界最多だと説明しています。報道官は、これが中国の優れた伝統文化の魅力を示すものであり、国内外での理解と共感を広げるきっかけになると強調しました。
こうした動きは、
- 国内の消費拡大
- 伝統文化の保護と継承
- 国際社会への文化発信
といった複数の目的を同時に追求する試みとも読めます。
ビザ緩和で訪中客が前年比一五〇%増
Liu報道官は、春節期間中のインバウンド需要の急増にも言及しました。ビザ免除の対象を広げるなどのビザフリー政策の拡充により、今年の春節シーズンに中国を訪れた人の数は、前年と比べて一五〇%増と過去最高を記録したとしています。
観光やビジネス目的の訪中客が増えたことで、宿泊、飲食、小売りなど幅広い分野の消費が押し上げられました。春節が、国内だけでなく海外からの旅行者にとっても大きなイベントになりつつあることがうかがえます。
CPPCCが進める文化調査と新刊『100 Facts』
Liu報道官はまた、CPPCCがここ数年、文化分野の調査や提言に力を入れていることも紹介しました。昨年(二〇二四年)には、CPPCCの委員が山東省、山西省、河南省など各地を訪れ、文化施設や博物館の現場で働く人々と意見交換を行い、中国文明の起源をたどる重要プロジェクトなどの進捗状況を詳しく聞き取ったといいます。
こうした調査をもとに、CPPCCの委員は文化政策やプロジェクトの進め方について具体的な提案を行ってきました。現場の声を吸い上げながら、歴史研究や文化事業を長期的な国家プロジェクトとして位置づける狙いがあるとみられます。
社会全体に中国の歴史への正しい見方を広める取り組みとしては、『100 Facts on History and Culture of Community for the Chinese Nation』という書籍の刊行も取り上げました。この本は、中国国内のさまざまな民族集団の間で長い歴史の中で積み重ねられてきた交流や融和のプロセスを、一〇〇のテーマで解説しているとされています。
Liu報道官は、この書籍を通じて、多様な文化が交わり合いながら中国という共同体が形づくられてきたことを理解してもらい、社会の一体感を高めていきたいとの考えを示しました。
伝統文化で精神的な力と国家の基盤を強化
発言の締めくくりとして、Liu報道官は、CPPCCが今後も優れた伝統文化の普及に力を注ぎ、人々の精神的な力を継続的に高めていく方針を強調しました。また、文化の力を国家の強さと復興を支える土台として位置づけ、その基盤づくりに貢献していくと述べました。
春節の消費ブーム、ユネスコ無形文化遺産への登録、ビザフリー政策による訪中客の増加──これらはばらばらのニュースのようでいて、消費拡大と文化振興、国際交流を一体的に進めようとする中国の現在の方向性を映し出しています。日本を含む周辺国にとっても、観光やビジネス、カルチャー分野での新たなつながり方を考えるヒントになりそうです。
Reference(s):
CPPCC spokesperson applauds Spring Festival's consumption boom
cgtn.com







